2023.01.21
マンション売却で失敗してしまう理由 | よくある事例10選や成功のコツも紹介
マンション売却は高額な取引になるので心配ですよね。できる限り高く売却したいと考える方は多いでしょう。
しかし、マンション売買に重要なポイントを知らないまま進めてしまい、売却してから後悔する人も少なくありません。
本記事では、マンション売却で失敗してしまう理由とよくある事例から成功のコツを紹介します。この記事を参考に、マンション売却で失敗してしまう原因を理解し、納得のいく形で取引できるようにしましょう。
目次
多くの人がマンション売却で失敗してしまう3つの理由
マンション売却に失敗するときには必ず理由があります。
ここでは多くの人がマンション売却で失敗してしまう理由を3つ紹介します。うまくいかなかった原因を把握し、売却活動に活かしていきましょう。
知識不足のまま売却活動を始めてしまう
多くの人がマンション売却に失敗するのは、必要な知識を理解しないまま売却活動を進めてしまうためです。失敗を避けるには、あらかじめ売却時の注意点やコツを把握しておく必要があります。
マンションの売買は高額な取引になるうえに専門的な知識も必要なので、売却活動のほとんどは不動産会社に任せることになります。しかし、どの会社と売却活動に取り組むのか、任せたあとの営業担当者の行動には問題がないのかについては、自分で判断する必要があります。
そのため、事前にマンション売却のポイントを勉強していく必要があるのです。説明内容に妥当性はあるのか、買い手のためを思って売却活動に取り組んでいるかを判断できる知識を身につけましょう。
思考停止で進めてしまう
マンションを売却した経験がないとはいえ、不動産業者にすべて任せてしまうのは避けましょう。
常に「なぜこの価格に設定するのか」「売りやすくするにはどうしたらよいのか」を考えながら進めてください。
収支がプラスになるか、マイナスになるかの影響を受けるのは自分です。不動産会社は仲介手数料が手に入るので、相場よりも安く売れたとしても金銭的な損害はほとんどありません。
担当者もたくさんの案件を抱えていれば、当事者意識が薄れてきます。マンションを売却することを他人任せにせず、納得のいく形で取引を成立させるにはどうすればよいかを常に考えながら行動しましょう。
焦って売却を急いでしまう
マンションを売却するのには時間がかかります。焦らないためにも、事前にどのくらいの期間を要するのかを把握しておきましょう。
実際に不動産業者へ相談してからマンションを売却するまでの期間は以下のとおりです。
- 売却相談:約2〜3日
- 物件調査:約2〜3日
- 価格査定:約2〜3日
- 媒介契約の締結:約2〜3日
- 販売活動:約1.5か月
- 契約交渉・告知:約7日
- 売買契約の締結:約1.5か月
- 決済・引渡し
販売を開始するまでは最短でも8日はかかります。余裕をみて2週間くらいはかかることを想定しておきましょう。
特に時間を要するのは販売活動です。首都圏不動産流通市場の動向(2021年度)によると、レインズ(不動産流通機構会員専用の情報交換サービス)に登録してから成約するまでの日数は平均で74.7日です。
少しでも早く売却したいという焦りがあると、不利な条件で手放す可能性が高まります。希望条件で購入してくれる買い手が現れるまで待つためにも、焦らないようにしてくださいね。
マンション売却で陥りやすい失敗事例10選と解決策
マンション売却におけるよくある10個の失敗事例と解決策を解説していきます。
知っていれば避けられる確率が高いものばかりなので、最後まで読んで参考にしてみてください。
複数社に査定依頼をしていない
物件の査定を1社のみで進めてしまうと安く買い叩かれる可能性が高くなります。1社だけの査定額では価格の妥当性を判断しにくいからです。
マンション売却で絶対に避けたいのは相場よりも安い金額で手放すことです。しかし、マンションの査定には専門的な知識が必要であり、適正価格の見極めは不動産会社の実力で左右されます。
また、マンション売却では売り出し価格の設定が重要です。安すぎると損をしますし、高すぎると検討すらしてもらえません。
したがって複数社から見積もりを取得し、査定額の根拠を聞き出しておきましょう。
なお、複数の会社の査定額を効率よく比較するなら一括査定サービスの利用がおすすめです。査定は無料で受けられるので、ぜひ検討してみてください。
一番高い査定額を信じてしまう
1番高い査定額を出してくれたからといって安易に売却先を決めないようにしましょう。なかには、相場よりもかなり高い査定額を掲示して他社に相談させないようにする業者もあります。
他社と比較して高い査定額の場合は裏取りが必要です。根拠もなく相場とかけ離れた価格で売り出してしまうといつまでも売れ残ってしまいます。
なかなか売れないことを理由に値下げを提案され、想定していたよりも安い金額で手放してしまうことにもなりかねません。
最終的に購入するのは不動産会社ではなく市場の顧客です。不動産会社の査定額だけを信じて、適正価格からかけ離れた金額を設定しないようにしましょう。
マンション売買を得意としていない会社を選択してしまう
納得のいく取引ができるかどうかは不動産会社の力量やスタンスで変わります。大手不動産会社だからといってマンションの売買に精通しているかは別問題です。
不動産の事業は以下の種類があり、企業によって得意とする分野が異なる点に注意しましょう。
- 開発
- 新築販売
- 仲介
- 管理
ちなみに、マンション売却の経験が豊富なのは、仲介取引を主軸にしている会社です。携わっているマンション売却の数が多ければ多いほど、コツや知見が社内に蓄積されています。
また、実際に売却活動を行うのは担当者です。不動産会社選びも重要ですが、担当者の対応や知識レベルも確認するよう心がけてください。
情報を囲い込まれてしまう
希望価格で購入してくれる購入者と出会うには、とにかく露出を増やす必要があります。しかし、不動産会社によっては自社の利益のため、他の不動産会社への広告を許可しないこともあります。
不動産会社の収入になる仲介手数料は、買主と売主の両方からもらえる仕組みです。そのため、売る側だけでなく買う側からも仲介手数料を得るために情報を囲い込むのです。
これを防ぐには、売却を任せる会社がレインズや他社への広告掲載を認めているかをあらかじめ確認しておく必要があります。
レインズとは不動産会社のみが利用できる会員制のポータルサイトです。国土交通大臣に指定された公益財団法人が運営しています。
レインズに登録された後には必ず登録情報を提供してもらい、販売図面や写真がしっかり掲載されているかを確認しましょう。
相場よりも低い額まで値下げしてしまう
購入希望者から大幅な値下げを要求され、雰囲気に飲まれて合意してしまった結果、相場より低い金額で手放すことになった事例もあります。
また、物件がなかなか売れないことから値下げを提案してくる営業担当者もいます。特に月末に値下げを要求された場合は、担当者のノルマ達成が優先されている可能性がある点に注意してください。
なお、相場と同水準なのに買い手が見つからない場合は、価格よりも集客のほうに注力すべきです。あらかじめ相場の価格と売却可能な最低ラインを設定しておき、納得のいかない場合は断ることも必要です。
売却に適した時期を把握していなかった
2021年10〜12月期 | 2022年1〜3月期 | 2022年4〜6月期 | 2022年7〜9月期 | |
---|---|---|---|---|
中古マンション成約件数(首都圏) | 9,737件 | 9,311件 | 8,974件 | 8,440件 |
出典:東日本不動産流通機構「レインズデータライブラリ 季報マーケットウォッチ」
中古マンションが売れやすい時期を把握しておらず、希望条件で購入してくれる人を探すことを諦めてしまった事例もあります。
中古マンションが売れやすいのは10月〜3月で、いわゆる下期から年度末にかけてです。2021年度、首都圏における中古マンションの成約件数は、10〜12月が最も多く、7〜9月が最も少ない結果となっていることからも分かります。
通常、年度末になる1〜3月に件数が増える傾向ですが、購入者の動きが早まっているのかもしれません。売却活動をスタートするのは10〜11月が適正と言われていますが、余裕をみて9月からスタートすることも検討してみてください。
内覧のスケジュール調整がうまくいかず優良顧客を逃してしまう
内覧のスケジュール調整がうまくいかず、購入希望者を逃してしまうパターンもあります。
わざわざ物件を見にくるのは購入意欲の高い人だけです。マンション売却は人との縁も非常に重要な要素なので、内覧のスケジュール調整はできるだけ相手の都合に合わせましょう。
もし掲示された金額で購入してくれる人を逃してしまった場合、その後値下げをせざるを得ない状況に陥ります。買い手とのスケジュール調整には数百万円の価値があると考えて行動していきましょう。
家をきれいにしないまま内覧に招待してしまう
購入希望者が実際に物件を見にくる内覧は、購入に直結するとても重要なイベントです。不動産情報をもとに魅力的な物件だと思い見にくるわけですから、期待値はかなり高まっているはずです。
しかし、家の状態が悪いまま内覧に招待してしまうと不快な印象を強く残すことになりかねません。建具のガタつきや床が腐っているなど、明らかに壊れている箇所は修繕しておきましょう。
ただし、リフォームをする必要はありません。中古マンションを購入する人の多くはリフォームする前提で物件をさがしているからです。
明らかに悪いイメージを与える箇所だけ対応し、整理整頓をした状態で迎え入れましょう。
契約不適合責任(瑕疵担保責任)を知らないまま進めてしまった
物件に不具合があるときには事前に告知することが義務づけられています。隠したまま売却してしまうと、契約不適合責任となり、契約解除や損害賠償の対象になる点に注意しましょう。
また、想定していない形で不具合の責任を問われる可能性もあります。心配な方は検査と賠償補償がセットになった保険があるので検討してみてください。
なお、契約不適合責任の内容は、買主と売主の間で原則自由に決められます。免責事項として一切の責任を負わない条件を掲示することも可能です。
売却にかかる費用を把握していない
売却時の費用を想定しておらず、手元に残る金額が少なくなってしまったという事例もあります。
マンションを売るときにかかる費用は以下のとおりです。
- 仲介手数料
- 譲渡取得税
- 印紙税
- 司法書士費用
このように不動産取引では、仲介手数料以外の手続きにも費用がかかるものです。必要な経費も考慮したうえで売却価格を決定しましょう。
マンション売却で失敗しないためのコツ3つ
マンションを売るときにはパートナーとなる不動産会社と二人三脚で活動していくことになります。
これから説明する3つのコツを押さえて、納得のいく取引ができるようにしましょう。
不動産会社を比較する
希望の価格で購入してくれる人が現れるかは、どれだけ多くの人の目に触れたかが重要です。
しかし、マンションの情報を登録したり、PRしたりすることは不動産会社にしかできません。つまりマンション売却においては、不動産会社がどれだけ広報に力を入れてくれるのかで成功確率が変わります。
売り手からすれば1社に固執する理由はありません。不動産会社選びは妥協せず、一度依頼しても動きが悪ければすぐに辞めて他の業者へと依頼しましょう。
不動産会社に任せきりにしない
不動産会社は売主と買主を結びつける仲介をする役割を担当します。
そのために取り組む内容は、会社や担当者のスタンスで大きく異なります。対面で話をしているときの言葉だけでなく、実際に取り組んでいる内容が充実しているかをしっかりチェックしましょう。
言葉で言うことは簡単ですが、大事なのは行動であることを基準に判断してみてください。
泥臭く取り組む
買い手にとってマンションの購入は、人生でそう何度もない大きな買い物です。買主は、数多くの物件のひとつとしてあなたのマンションを検討しています。
相手の目線になり、手間を惜しまず細かいことにも泥臭く取り組んでいきましょう。きめ細かい対応や説明ができれば、物件の条件以外でライバルと差別化できます。
他の物件よりもよい印象を残し、買主からの信頼を得て、こちらの希望条件で成約してもらえる確率を高めていきましょう。
マンション売却で失敗を防ぐためにサテイエの利用がおすすめ
マンション売却はほとんどの工程で不動産会社の力を借りる必要があります。そのため、どの業者に依頼するかが非常に重要です。
どこに依頼するのかをしっかり選定したうえで、自分たちにできることに取り組んでいきましょう。
ぜひこの記事を参考に、マンション売却に必要な知識を身につけ、後悔のない取引を実現してください。
なお、マンションの査定額を比較するなら、一括査定サービスがおすすめです。売り出し価格の参考にするため、ぜひ活用してみてください。
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