2023.02.25
土地査定の方法を紹介|査定額に影響するポイントも解説

「土地査定は具体的に何から始めればいいの?」
土地の売却は人生で何度も経験するようなことではないため、このように悩む方も多いかと思います。
そこで本記事では土地査定に焦点をあてて、査定の方法や不動産会社に土地査定を依頼する一般的な流れ、土地の査定額に影響するポイントについて解説していきます。
併せて、土地査定の前に確認すべきことや、実際に土地査定を受ける際の注意点もご紹介します。土地査定を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
土地査定の方法は2つ

土地査定の方法は、大きく分けて「自分で土地査定をする方法」と「不動産会社に土地査定を依頼する方法」の2つがあります。
他に「不動産鑑定士に土地査定を依頼する方法」もありますが、個人間での土地売買においては、そこまで高い精度の査定は必要ありません。
自分で土地査定をする際に確認すべき3つの公的評価額

土地査定は、自分で調べることが可能です。
あらかじめ大まかな土地の価格を把握しておけば、不動産会社に査定を依頼した時に、提示された査定額の適正性を判断しやすくなります。ただし、自分で算出した査定額はあくまで目安であるため、その点には注意しましょう。
自分で土地査定をする際は、公的評価額を参考に算出します。公的評価額としては、以下の3つが挙げられます。
- 公示地価・基準地価
- 相続税路線価
- 固定資産税評価額
公示地価・基準地価
公示価格とは、国土交通省が公示している、毎年1月1日時点における標準地の適正な価格のことです。一方の基準価格は、各都道府県が公示している、毎年7月1日時点における標準地の適正な価格のことです。
両者の大きな違いは調査時期のみのため、それ以外は実質同じと捉えて差し支えないでしょう。
公示地価・基準地価は、国土交通省の『地価公示・都道府県地価調査』で調べられます。
上記のサイトでは、約26,000地点の標準地の公示地価を調べられますが、調べたい土地と最寄りの標準地の距離が離れている場合には、あまり参考にならないため、注意が必要です。
相続税路線価
相続税路線価とは、相続税や贈与税を算定する際の基準となる、道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことです。国税庁が毎年7月頃に公表しています。
相続税路線価は、国税庁の『路線価図・評価倍率表』で調べられます。
なお、相続税路線価は、公示地価の80%程度になるよう設定されているため、以下の算式で割り戻しが必要です。
相続税評価額(土地の面積×路線価)÷0.8
固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、固定資産税を賦課するための基準となる評価額のことです。各市区町村が毎年4月頃に公表しています。
固定資産税評価額は、一般財団法人資産評価システム研究センターの『全国地価マップ』で調べられます。
なお、固定資産税評価額は、公示地価の70%程度になるよう設定されているため、以下の算式で割り戻しが必要です。
固定資産税評価額(土地の面積×固定資産税路線価)÷0.7
不動産会社に土地査定を依頼する方法

不動産会社に土地査定を依頼する方法としては、主に「匿名査定」「簡易査定」「訪問査定」の3種類が存在します。
基本的に全て無料で利用できますが、査定の精度としては、匿名査定⇒簡易査定⇒訪問査定の順に高くなるのが一般的です。
不動産会社に土地査定を依頼する方法
匿名査定 | 簡易査定 | 訪問査定 | |
---|---|---|---|
査定期間 | 数十秒 | 1~3日 | 1週間前後 |
査定の精度 | 低 | 中 | 高 |
匿名査定
匿名査定とは、一切の個人情報を提供せずに、匿名で土地査定を受けられるWebサービスのことです。サービスによっては、メールアドレスが必要となるケースもあります。
匿名査定は、数十秒で結果がわかる点が最大のメリットです。また、匿名で査定できるため、不動産会社からの営業がこない点も、メリットとして挙げられるでしょう。
ただし、すぐに結果がわかるぶん、査定結果はかなり大まかである点に注意が必要です。
簡易査定(机上査定)
簡易査定とは、不動産業者が対象の土地に訪問せず、土地情報だけで行う簡易的な査定方法のことです。
簡易査定は、お手軽かつ1~3日で結果がわかる点がメリットです。その反面、実際に土地を見ていないため、査定の精度としてはそこまで高くありません。
一般的に、簡易査定は訪問査定を依頼する不動産会社を絞り込む際に、よく利用されます。
訪問査定(実査定)
訪問査定とは、不動産業者が対象の土地に実際に訪問して、細かく調査をした上で行う査定方法のことです。
訪問査定は、結果がわかるまで時間がかかる(1週間前後)ものの、実際に土地を見ているため、査定の精度がかなり高い点がメリットです。
不動産会社に土地査定を依頼する流れ

本章では、不動産会社に土地査定を依頼する一般的な流れをご紹介します。
STEP①:簡易査定を申し込む
まずは、不動産会社に簡易査定を申し込みましょう。
査定結果を比較するためにも、1社ではなく複数社(できれば5~6社)に申し込むことをおすすめします。一括査定を活用すると、基本情報等の入力が1回で済むため、便利です。
なお、不動産の一括査定サービスとしては、『サテイエ』がおすすめです。サテイエは厳選された不動産会社1,000社以上と提携しているため、あなたにぴったりの不動産会社がきっと見つかるでしょう。
STEP②:簡易査定の結果を基に、訪問査定を申し込む
簡易査定の結果を基に、訪問査定を依頼する不動産会社を絞り込みましょう。
訪問査定についても、簡易査定と同様に複数社(できれば2~3社)に依頼することをおすすめします。
不動産会社を絞り込む際は、査定結果だけでなく、業者の対応も見て総合的に判断しましょう。
STEP③:訪問日の日程調整を行う
訪問査定を申し込んだら、業者と訪問日の日程調整を行いましょう。
当日の立ち会いについては、更地の場合は不要、建物がある場合には必要となるのが一般的です。ただし、立ち会いの要否は業者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
STEP④:訪問査定を受ける
日程が確定したら、指定の日時に訪問査定を受けます。
当日は、1時間前後で終わるのが一般的です。
査定に立ち会う場合には、業者から色々と質問されますが、正しい査定金額を出すためにも、質問には正直に回答しましょう。
STEP⑤:査定結果を受け取る
訪問査定後は、約1週間ほどで査定書が届き、結果がわかります。
結果を確認する際は、査定金額だけでなく、査定の根拠も確認するようにしましょう。
土地の査定額に影響するポイント

土地査定の際には、査定額を左右するポイントが存在します。
本章では、土地の査定額に影響するポイントについて、代表的なものを8つご紹介します。
土地の面積・形状
土地の面積に関しては、単純に広い方が評価は上がります。ただし、「第一種低層住居専用地域」や「市街化調整区域」といった、建築規制が厳しい地域では土地の利用目的も制限されてしまうため、広いと逆に評価が下がる可能性があります。
一方、土地の形状に関しては、形が整っている方が活用しやすいため、評価が上がるのが一般的です。
間口と奥行き
間口に関しては、広い方が利用効率や日当たりが良くなるため、評価も上がります。
一方、奥行きに関しては、単純に長ければいいというわけではなく、間口とのバランスが大切です。一般的には、間口に対して奥行きが長くなるほど、評価も下がる傾向があります。
接している道路
土地が接している道路については、以下の表のように、状況によって評価も変わります。
道路と土地査定額の関係
評価が上がるケース | 評価が下がるケース | |
---|---|---|
道路の幅 | 広い | 狭い |
道路の種類 | 公道 | 私道 |
道路の舗装状態 | 完全舗装 | 未舗装 |
接している道路の本数 | 1本(中間画地) | 2本(角地や二方路地) |
道路に対しての土地の位置 | 高い | 低い |
日当たり
日当たりに関しては、多くの買主が気にするポイントであり、日当たりが良いほど評価も上がりやすいです。
ただし、現在は良好であっても、将来的に近くで高いビルが建設予定であると、評価が下がる可能性もあるため、注意が必要です。
駅までの距離
駅に近いほど利便性が高いため、評価も上がるのが一般的です。
なお、駅まで徒歩20分以上の土地の場合には、バス停への近さやバスの運行本数などが評価の対象となるケースもあります。
近隣の嫌悪施設の有無
嫌悪施設とは、廃棄物処理場・下水処理場・火葬場・軍事基地・風俗店といった、周囲の人々に嫌悪感を抱かせる施設のことです。
このような嫌悪施設が周辺にあると、一般的に評価は下がる傾向があります。
地中の状態
地中の状態によっても、評価は変わります。
例えば、土壌汚染がある土地では対策費用がかかるため、評価が下がるのが一般的です。
また、地中に埋蔵文化財がある土地の場合も、将来的に国の調査や開発の停止が行われる可能性があるため、評価も下がる傾向があります。
用途地域
用途地域とは、都市計画法に基づき、建築できる建物の用途等を定めた地域のことです。
土地の面積の部分でも述べた通り、建築規制が厳しい地域では土地の利用目的が制限されてしまうため、面積が広いと逆に評価が下がるケースもあります。
一般的には、使用用途の制限が緩い地域の土地の方が、評価も上がります。
土地査定の前に確認すべきこと

本章では、土地査定の前に確認すべきことを3つご紹介します。
土地の名義人
査定の前には、必ず土地の名義人を確認しておきましょう。
というのも、名義人本人でないと土地の売却ができず、査定時に名義人を確認される可能性が高いからです。
なお、仮に名義人が本人でなかったとしても、不動産業者に事情を説明すれば、査定自体を受けることは可能です。ただし、実際に売却する時までには、名義変更を済ませておく必要があります。
土地の境界線
土地査定では正確な土地の面積が必要なため、あらかじめ測量図を用意しておきましょう。
用意する測量図は、できれば境界が確定している「確定測量図」がベストですが、手元に無い場合には、法務局で入手できる「地積測量図」でも代用可能です。
土地の状態
査定の前には、土地がゴミや雑草で荒れていないか、土地の状態も確認しておきましょう。
土地が荒れていたとしても、査定結果に大きく影響することはありませんが、不動産業者に土地の管理ができていない印象を与えてしまいます。
特に、何年も放置していた土地であれば、ゴミが不法投棄されている可能性もあるため、査定前に一度確認しておくことをおすすめします。
土地査定を受ける際の注意点

土地査定は原則無料とはいえ、大切な土地を扱う以上、慎重に進める必要があるでしょう。
そこで本章では、土地査定を受ける際の注意点をご紹介します。
複数の不動産会社に査定を依頼する
土地査定を依頼する際は、1社に限定するのではなく、複数の不動産会社に依頼しましょう。
というのも、査定結果は不動産会社によって異なるのが一般的であり、1社だけでは査定額の比較や適正性の判断ができないからです。
できれば簡易査定は5~6社、訪問査定は2~3社に依頼することをおすすめします。その際は、不動産の一括査定サービスである『サテイエ』が便利です。
査定結果を信じ込まない
不動産会社の査定結果を鵜呑みにするのは、リスクがあります。
というのも、中にはあえて査定額を吊り上げて、契約を結んでもらおうとする悪徳業者も存在するからです。
査定結果の適正性を判断するためには、査定額だけでなくその根拠も確認しましょう。また、あらかじめ土地の価格相場を調べておくことも有効です。
査定額だけで契約しない
査定額だけで契約する不動産会社を選ぶのは、おすすめできません。
前述の通り、あえて査定額を吊り上げてくる悪徳業者も存在します。「査定額がいちばん高かったから」という安易な理由で不動産会社と契約してしまうと、思わぬ後悔をする可能性があります。
不動産会社を選ぶ際は、査定額だけでなく、業者の対応やスピード感なども見て総合的に判断しましょう。
不動産の査定はサテイエがおすすめ

土地を売るためには土地査定が必須ですが、その際は複数の不動産会社に一括で査定を依頼できる『サテイエ』が便利です。
サテイエは厳選された不動産会社1,000社以上と提携しているため、あなたにぴったりの不動産会社がきっと見つかります。
土地の売却を検討している人は、まずはサテイエで土地査定を行ってみましょう。
土地査定方法まとめ

ここまで土地査定について、解説してきました。
土地査定の具体的な方法
自分で土地査定をする方法 | 不動産会社に土地査定を依頼する方法 |
---|---|
・公示地価・基準地価を基に算出する方法 ・相続税路線価を基に算出する方法 ・固定資産税評価額を基に算出する方法 | ・匿名査定 ・簡易査定 ・訪問査定 |
冒頭でも述べた通り、土地の売却は多くの人にとって、人生で何度も経験するようなことではないでしょう。加えて、土地の取引は金額も大きいため、査定の段階から慎重に進める必要があります。
土地の売却で失敗したくないのであれば、まずは一括査定から複数の不動産業者に土地を査定してもらい、信頼できる業者を探していきましょう。
もし、土地の一括査定サービスをお探しであれば、本記事でも紹介した『サテイエ』がおすすめです。サテイエは厳選された不動産会社1,000社以上と提携しているため、あなたにぴったりの不動産会社がきっと見つかるでしょう。