現在住んでいる不動産は住みながら売却できる|内覧と引越しの段取りで損しない?

木製ダイニングテーブルと子供用キッチンがあるナチュラルなリビング空間
手続き

今の家に住んだまま売却を進めたい人は多い。

結論は「可能」だが、内覧対応と住み替えの資金計画で失敗しやすい。

住みながらでも価格を落とさず、引渡しまで混乱しないための実務を順番に整理する。

  1. 現在住んでいる不動産は住みながら売却できる
    1. 居住中でも売れにくいわけではない
    2. 売り先行と買い先行で負担が変わる
    3. 内覧対応は回数よりも再現性が大事
    4. 売却条件は先に決めるほど強い
    5. 住みながら売るときの費用は先に見積もる
    6. 不動産会社の選び方は担当者で決まる
    7. 「住まなくなった後」も居住用扱いの要件に注意する
  2. 住みながら売却する流れは段取りで決まる
    1. 売却の全体像を先に固定する
    2. 媒介契約の種類で動き方が変わる
    3. 売り先行で詰まりやすいポイントを先に潰す
    4. 必要書類は「手元」「役所」「不動産会社」で分ける
  3. 内覧で印象を落とさない工夫が成約率を左右する
    1. 片付けは見せ場を決めて優先順位を作る
    2. 匂いと音は自分では気づきにくい
    3. 内覧スケジュールは生活を守る枠を作る
    4. ペットや子どもがいる家庭の見せ方
  4. 価格とローンの整理が住み替え失敗を防ぐ
    1. 住宅ローン残債と抵当権の基本
    2. オーバーローンなら早めに選択肢を持つ
    3. つなぎ資金は金利よりも返済計画
  5. 税金と確定申告は特例の条件を先に押さえる
    1. 譲渡所得の計算式を理解して手取りを読む
    2. 3,000万円特別控除は要件と併用を確認する
    3. 10年超の軽減税率は利益が大きいほど効く
    4. 確定申告の準備は「集める書類」を決める
  6. 住みながら売却を成功させる要点を最後に整理する

現在住んでいる不動産は住みながら売却できる

鮮やかなブルーソファが映える明るくポップなカフェ風リビング

居住中のままでも販売活動はできる。

ただし「見せ方」と「引渡しのタイミング設計」で結果が大きく変わる。

住みながら売る最大のコツは、内覧での印象を落とさず、売却条件を先に言語化することだ。

居住中でも売れにくいわけではない

空き家のほうが見せやすいのは事実だが、居住中だから致命的に不利とは限らない。

生活感を残しつつも清潔感と明るさを作れれば、購入後の暮らしを想像してもらいやすい。

逆に空き家は管理状態が悪いと劣化が目立ち、マイナス印象になることもある。

居住中は「手入れされている家」と伝わりやすい点が強みになる。

  • 清掃と換気を習慣化する
  • 水回りのツヤを維持する
  • 窓まわりの汚れを残さない
  • 照明を切れたままにしない

売り先行と買い先行で負担が変わる

住み替えは「売ってから買う」か「買ってから売る」かで、資金とスケジュールの難しさが違う。

売り先行は二重ローンを避けやすい一方で、仮住まいが必要になることがある。

買い先行は新居探しに余裕が出る反面、売却が遅れると資金負担が増えやすい。

自分の優先順位が「資金の安全性」か「住み替えの快適さ」かを先に決めると迷いが減る。

方式 向きやすい人 主なリスク
売り先行 二重ローンを避けたい 仮住まい・引渡し期限の調整
買い先行 新居を妥協したくない 二重ローン・売り急ぎ
同時進行 条件が整えば最短で動きたい 契約条件の連動が複雑

内覧対応は回数よりも再現性が大事

内覧のたびに慌てると、生活が崩れて家族のストレスが増える。

重要なのは「いつ来ても同じ水準で見せられる状態」を作ることだ。

片付けの基準を家族で統一し、内覧前の手順を固定するとブレが減る。

在宅ワークや育児がある場合は、内覧可能な曜日と時間帯を最初から決めておく。

  • 玄関は靴を最小限にする
  • 洗面台は物を置かない
  • キッチンはシンクを空にする
  • 寝具は毎回たたむ

売却条件は先に決めるほど強い

値段だけ決めて売り出すと、引渡し時期や残置物で揉めやすい。

希望条件は「価格」「引渡し期限」「内覧可能時間」「残置物の扱い」を最低限セットで整理する。

譲れない条件と調整できる条件を分けると、交渉の軸がぶれない。

買主にとっての不安は情報不足なので、条件は早めに見える化するほど信頼が上がる。

項目 決め方の目安
希望価格 相場と資金計画から上限下限を決める
最低売却価格 ローン完済や住み替え費用から逆算する
引渡し時期 引越し準備期間を含めて余裕を持たせる
残置物 撤去する物と置いていく物を分ける

住みながら売るときの費用は先に見積もる

売却の手取りを読み違えると、新居購入の判断が遅れる。

仲介手数料や印紙税などの売却コストは、売却価格に応じて概算できる。

加えて引越し費用、修繕費、仮住まい費用が発生するケースもある。

費用は「必ず出るもの」と「状況で出るもの」に分けて予備費を確保する。

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 抵当権抹消の登記費用
  • ハウスクリーニング
  • 引越し費用

不動産会社の選び方は担当者で決まる

同じ会社でも担当者の力量で販売戦略と報告の質が変わる。

査定額の高さだけで選ぶと、売れ残りや値下げの連鎖になりやすい。

「根拠の説明」「販売開始後の報告頻度」「内覧フィードバックの具体性」を見て判断する。

媒介契約の種類によって報告義務やレインズ登録の扱いも違うため、違いを理解して選ぶ。

媒介契約制度の概要はレインズの解説も参考になる。

確認ポイント 質問例
価格根拠 成約事例と差異をどう説明するか
販売戦略 写真・広告・ターゲット像の提案はあるか
報告 何をどの頻度で共有するか
契約 媒介契約の違いを説明できるか

「住まなくなった後」も居住用扱いの要件に注意する

税の特例は「居住用財産」として扱われるかが重要になる。

転勤などで住まなくなった後に売る場合でも、要件を満たせば適用できるケースがある。

特例の細かな条件は売却時期と個別事情で変わるため、一次情報で確認しておくと安心だ。

国税庁のタックスアンサー「マイホームを売ったときの特例」を起点に要件を押さえる。

  • 対象がマイホームに当たるか
  • 親族など特別な関係者への売却ではないか
  • 他の特例と併用条件がどうか
  • 確定申告が必要か

国税庁:No.3302 マイホームを売ったときの特例

住みながら売却する流れは段取りで決まる

白とネイビーのソファが主役のスタイリッシュなオープンリビング

売却は大まかな流れが決まっている。

居住中は「準備」と「同時並行の管理」が増えるので、工程を分けて考えると失敗しにくい。

売却の全体像を先に固定する

売却は準備から引渡しまで、複数の締切が連続する。

居住中は片付けや家族の予定も絡むため、先に全体像を見える化することが重要だ。

特に「売出し開始日」と「引渡し可能日」を決めると、逆算で動ける。

不動産会社との打ち合わせも、毎回の論点が明確になる。

  • 相場確認と査定依頼
  • 媒介契約の締結
  • 売出し価格と条件の決定
  • 内覧対応と条件交渉
  • 売買契約と引渡し準備

媒介契約の種類で動き方が変わる

媒介契約は一般媒介、専任媒介、専属専任媒介がある。

レインズ登録義務や報告頻度、売主の自由度が異なるため、生活に合う契約を選ぶ。

住みながら売る場合は、報告が定期的に来る契約のほうが心理的負担が減ることがある。

一方で複数社に声をかけたい場合は一般媒介が合うケースもある。

契約 特徴 売主の自由度
一般媒介 複数社に依頼できる 高い
専任媒介 1社のみで依頼
専属専任媒介 1社のみで依頼 低い

レインズ:媒介契約制度

売り先行で詰まりやすいポイントを先に潰す

売り先行は、売却の成否で新居の選択肢が変わる。

だからこそ「いつまでに売るか」と「売れない場合の次の一手」を決めておく。

例えば一定期間で反響が弱い場合の価格調整幅を、事前に合意しておくと判断が速い。

内覧が立て込む時期に備えて、生活動線を崩さない片付け方も同時に設計する。

  • 目標期間と期限を決める
  • 価格調整の基準を決める
  • 仮住まいの候補を押さえる
  • 引越し見積もりを早めに取る

必要書類は「手元」「役所」「不動産会社」で分ける

書類集めが遅れると、売買契約や引渡しが後ろ倒しになる。

特に居住中は平日に動けないことがあるため、早めに棚卸しする。

購入時の契約書や領収書は、税金計算の取得費を裏付ける資料にもなる。

見つからない場合の代替策もあるが、先に探しておくほど選択肢が増える。

区分 代表例
手元 登記識別情報、購入時の契約書、ローン返済予定表
役所等 印鑑証明書、住民票、固定資産税の納税通知書
不動産会社 媒介契約書、重要事項説明書、売買契約書案

内覧で印象を落とさない工夫が成約率を左右する

木目テーブルとブルーキャビネットが映える北欧モダンなキッチン空間

住みながら売る最大の山場は内覧だ。

「生活感がある」こと自体よりも、「整っていない」ことがマイナスになる。

片付けは見せ場を決めて優先順位を作る

全てを完璧にしようとすると続かない。

玄関、リビング、水回りの3点を最優先にすると、印象の大部分を押さえられる。

収納は開けられる前提で、床に物を置かない状態を目標にする。

一時的に箱にまとめる方法でも、視界が整えば効果は大きい。

  • 玄関は広く見せる
  • リビングは床面を出す
  • キッチンは作業台を空ける
  • 洗面所は小物を隠す

匂いと音は自分では気づきにくい

住んでいる人は生活臭に慣れてしまい、課題に気づきにくい。

内覧の1時間前に換気し、ペットやタバコの匂いが残らない工夫をする。

音も同様で、洗濯機や掃除機の稼働は内覧時間から外すと無難だ。

芳香剤の強い香りは好みが分かれるため、無香料の消臭を基本にする。

  • 換気をルーティン化する
  • 生ゴミは当日中に処理する
  • ペット用品は目立たせない
  • 強い香りでごまかさない

内覧スケジュールは生活を守る枠を作る

内覧は多いほど良いとは限らない。

生活が崩れて疲れると、清掃品質も落ちて結果的に成約率が下がる。

あらかじめ対応可能な枠を作り、その範囲で集中的に案内するほうが管理しやすい。

不動産会社と共有し、急な依頼を受けるかどうかのルールも決めておく。

項目 目安
対応可能時間 土日午後など固定枠を作る
準備時間 最低30〜60分を確保する
当日対応 原則不可にして例外条件を決める
案内方法 不動産会社主導で説明を統一する

ペットや子どもがいる家庭の見せ方

ペットや子どもがいること自体は問題ではない。

購入検討者が気にするのは、傷や匂い、騒音のリスクがどれくらいかだ。

爪とぎ跡や壁紙の汚れがある場合は、補修方針を不動産会社と決めておく。

内覧時はケージ移動や一時外出などで、安全と落ち着きを確保する。

  • ペット用品は一時的にまとめる
  • 床の毛は目立つ場所を重点清掃
  • 壁の傷は補修の可否を検討
  • 内覧中の動線を分ける

価格とローンの整理が住み替え失敗を防ぐ

木製ベンチと観葉植物があるシンプルなダイニングスペース

売却価格の戦略は、ローン残債と住み替え資金の現実に左右される。

「売れたけど足りない」状態を避けるために、数字を先に並べる。

住宅ローン残債と抵当権の基本

住宅ローンが残っている場合、原則として引渡し時に完済して抵当権を抹消する。

売却代金で完済できるかどうかは、売出し前に必ず確認しておく。

完済のための不足が出る場合は、自己資金の準備や金融機関との相談が必要になる。

返済予定表と残高証明で現状を把握し、数字の前提を揃える。

項目 確認内容
残債 直近残高と完済予定額
完済方法 売却代金で一括返済できるか
抵当権 抹消手続きの段取り
諸費用 司法書士費用などの見込み

オーバーローンなら早めに選択肢を持つ

売却価格よりローン残債が多い状態をオーバーローンという。

この場合は「差額を用意して売る」か「住み替え方法を工夫する」必要がある。

売却を急ぐと価格が下がり、差額がさらに拡大するリスクがある。

査定と資金計画を同時に進め、最悪ケースの落としどころも決めておく。

  • 自己資金で不足分を補う
  • 住み替えローンを検討する
  • 売却期限を伸ばして相場で売る
  • リフォームは費用対効果で判断する

つなぎ資金は金利よりも返済計画

買い先行や同時進行では、売却が完了するまでの資金をどうつなぐかが課題になる。

つなぎ融資や住み替えローンは便利だが、返済のタイミングがずれると家計を圧迫する。

「いつ売れて」「いつ引渡して」「いつ返済するか」を具体的な日付で並べると安全だ。

審査条件や費用は金融機関で異なるため、早めに相談して選択肢を確保する。

  • 二重ローン期間を最短化する
  • 売却の遅れを想定した資金余力を持つ
  • 返済日と決済日のズレを確認する
  • 手数料も含めて総額で比較する

税金と確定申告は特例の条件を先に押さえる

鮮やかなブルーソファが映える明るくポップなカフェ風リビング

売却益が出ると譲渡所得として課税される。

ただしマイホームの売却には特例があり、条件を満たすと税負担が大きく変わる。

譲渡所得の計算式を理解して手取りを読む

譲渡所得は「売った金額」から「取得費」と「譲渡費用」を引き、さらに特別控除を差し引いて計算する。

購入時の契約書や領収書があると取得費を正確に組み立てやすい。

取得費が分からない場合に概算取得費を使える仕組みもあるため、詰まる前に一次情報で確認する。

計算の考え方は国税庁のタックスアンサーが分かりやすい。

要素 内容
収入金額 売却代金など
取得費 購入代金、購入手数料、改良費など
譲渡費用 仲介手数料、測量費、印紙代など
特別控除 3,000万円控除など

国税庁:No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

国税庁:No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)

3,000万円特別控除は要件と併用を確認する

マイホームを売ったときは、一定の要件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる。

控除額が大きいので、使えるかどうかで手取りの見込みが変わる。

親子や夫婦など特別な関係者への売却は対象外になるなど、注意点もある。

適用できるか不安なら、要件を一次情報で読み、必要に応じて税理士に確認する。

  • 居住用財産に当たるか
  • 特別関係者への売却ではないか
  • 他の特例との併用条件
  • 適用期限や適用期間の条件

国税庁:No.3302 マイホームを売ったときの特例

10年超の軽減税率は利益が大きいほど効く

所有期間が一定の条件を満たすと、長期譲渡所得の税率が軽減される特例がある。

3,000万円特別控除と重ねて受けられるケースもあり、利益が大きいほど影響が出やすい。

判定は「売った年の1月1日時点」など基準日があるため、年またぎの計画では特に注意する。

適用要件と計算の考え方は国税庁の案内で確認できる。

  • 所有期間の判定日を確認する
  • 居住用の要件を満たすか確認する
  • 他の特例の適用状況を整理する
  • 適用後の税額を試算する

国税庁:No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例

確定申告の準備は「集める書類」を決める

特例を使う場合でも、原則として確定申告が必要になることが多い。

必要書類は売買契約書や仲介手数料の領収書など、手元で揃えるものが中心だ。

取得費の根拠資料が不足すると、税務上の計算が不利になる可能性がある。

売却が決まった段階から、領収書と契約書を一つの場所にまとめておく。

分類
売却関係 売買契約書、仲介手数料の領収書、印紙税の記録
取得関係 購入時の契約書、購入手数料の領収書、改良費の資料
ローン関係 残高証明、返済予定表、抵当権抹消の記録

国税庁:No.3252 取得費となるもの

国税庁:No.3255 譲渡費用となるもの

住みながら売却を成功させる要点を最後に整理する

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居住中の売却は可能だが、勝負どころは内覧と住み替えの段取りだ。

売り先行か買い先行かを決め、希望条件と引渡し可能日を先に言語化すると迷いが減る。

内覧は再現性を作り、片付けの優先順位とスケジュール枠で生活を守る。

ローン残債と諸費用を並べ、最悪ケースでも資金が回る設計にしてから価格戦略を組む。

税金は計算式と特例の要件を一次情報で確認し、必要書類を早めに集めて確定申告に備える。