不動産売却の譲渡税は利益にかかり、基本税率は20.315%か39.63%|控除と計算で損しない?

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税金

不動産を売ったときに気になる「譲渡税」は、売却代金そのものではなく、売却で出た利益に対してかかる税金の総称として使われることが多い言葉です。

実務では、譲渡所得に対する所得税と復興特別所得税、そして住民税をまとめて把握するのが最短です。

さらに、マイホームなら3,000万円特別控除などで課税ゼロになるケースもあり、税率だけで判断すると損をします。

この記事は、計算の順番と特例の当たり外れを整理し、どこで数字がズレやすいかまで踏み込みます。

  1. 不動産売却の譲渡税は利益にかかり、基本税率は20.315%か39.63%
    1. 譲渡税がかかるのは売却代金ではなく譲渡所得
    2. 税率は所有期間の区分で大きく変わる
    3. 20.315%と39.63%は復興特別所得税を含めた目安
    4. マイホームは特例で課税ゼロになることがある
    5. 譲渡所得課税と印紙税などの「取引コスト」を混同しない
  2. 譲渡税の計算は3つの差し引きを順番通りに行う
    1. 収入金額は「実際に受け取る総額」を基準にする
    2. 取得費は購入代金だけでなく改良費なども含む
    3. 譲渡費用は「売るために直接かかった費用」に限定する
    4. 取得費が分からないときは概算取得費のルールがある
  3. 所有期間と税率を押さえると売る時期の判断がしやすい
    1. 所有期間の判定は「譲渡した年の1月1日」が基準
    2. 長期の税率は所得税15%と住民税5%が基本
    3. 短期の税率は所得税30%と住民税9%が基本
    4. 住民税は申告後に課税されるため資金繰りを先に作る
  4. 特例を使うかどうかで譲渡税はゼロにも大幅増にもなる
    1. 3,000万円特別控除はマイホーム売却の最重要チェック
    2. 10年超のマイホームは軽減税率で所得税が下がる
    3. 特別控除には種類があり併用制限もある
    4. 相続した空き家は別枠の3,000万円特例がある
  5. 確定申告の流れを知ると譲渡税の支払いに慌てない
    1. 申告時期は原則として翌年2月16日から3月15日まで
    2. 特例適用には計算明細書などの添付が必要になる
    3. e-Taxと申告書作成コーナーを使うと計算ミスが減る
    4. 迷ったら税理士へ相談すべき典型パターン
  6. 譲渡税で迷ったら最初に確認したい要点

不動産売却の譲渡税は利益にかかり、基本税率は20.315%か39.63%

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譲渡税の正体を「何に」「どの税率で」かかるかに分解すると、必要な手続きが一気に見通せます。

譲渡税がかかるのは売却代金ではなく譲渡所得

譲渡税は、売却代金に直接かかる税金ではなく、売却で生じた譲渡所得に対して課税されます。

譲渡所得は、収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算し、要件を満たせば特別控除も差し引けます。

つまり赤字や利益ゼロなら、譲渡所得課税そのものが発生しないため、税率の議論より先に利益の有無を確かめるのが最優先です。

計算の骨格 収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除
よくある誤解 売却代金×税率で計算してしまう
根拠 国税庁(譲渡所得の計算のしかた)

税率は所有期間の区分で大きく変わる

譲渡所得は、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうかで、長期と短期に区分されます。

この判定は売却日そのものではなく「その年の1月1日」で決まるため、年末年始をまたぐ売却では税率が変わる可能性があります。

相続や贈与で取得した場合は、原則として被相続人や贈与者の取得日から通算して所有期間を判定します。

  • 5年超:長期譲渡所得
  • 5年以下:短期譲渡所得
  • 判定基準:譲渡した年の1月1日
  • 相続取得:被相続人の取得日を通算するのが原則

20.315%と39.63%は復興特別所得税を含めた目安

譲渡所得の税率は、所得税と住民税を合算して語られることが多く、長期は約20.315%、短期は約39.63%が基本の目安になります。

内訳としては、長期は所得税15%と住民税5%をベースに、所得税に対して復興特別所得税が上乗せされます。

短期は所得税30%と住民税9%をベースに、同じく所得税に復興特別所得税が上乗せされる設計です。

区分 所得税 住民税 根拠
長期 15%(復興特別所得税が上乗せ) 5% 国税庁(長期譲渡)
短期 30%(復興特別所得税が上乗せ) 9% 国税庁(短期譲渡)

マイホームは特例で課税ゼロになることがある

居住用財産の譲渡では、一定要件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円を控除でき、課税所得がゼロになることがあります。

この特例は所有期間の長短に関係なく適用の可能性があるため、短期だから必ず高税率とは限りません。

一方で、親子や夫婦など特別の関係がある相手への売却など、適用できない典型パターンもあるので注意が必要です。

譲渡所得課税と印紙税などの「取引コスト」を混同しない

譲渡税の話をしているのに、売買契約書の印紙税や、抵当権抹消の登録免許税などの費用が混ざると、見積もりが崩れます。

これらは「譲渡所得課税とは別枠のコスト」ですが、取得費や譲渡費用に含められるものもあるため、領収書の整理が節税につながります。

購入時に納めた税金の一部が取得費になり得る点も、税額を左右する典型ポイントです。

分類 扱いの目安
譲渡所得課税 所得税・復興特別所得税・住民税 譲渡所得に対して課税
取引コスト 印紙税、登記費用、仲介手数料 取得費や譲渡費用に該当する場合あり
参考 国税庁(取得費となるもの)

譲渡税の計算は3つの差し引きを順番通りに行う

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計算の順番を固定すると、どこで数字が狂ったかが見えるようになります。

収入金額は「実際に受け取る総額」を基準にする

収入金額は基本的に売却代金などの対価であり、まずはここを確定させないと全ての差し引きが連鎖してズレます。

手付金や残代金のように受領タイミングが分かれていても、売却取引としての収入金額に集約して整理します。

共有名義の場合は持分に応じて按分するのが原則で、契約書の名義と入金口座の実態が食い違うと説明が難しくなります。

確認資料 売買契約書、決済書類、振込明細
注意点 持分の按分を忘れると税額が歪む
基礎 国税庁(課税長期譲渡所得金額の計算式)

取得費は購入代金だけでなく改良費なども含む

取得費には、購入代金や建築代金だけでなく、購入手数料、設備費、改良費など取得に要した支出が含まれます。

建物部分の取得費は、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算するため、建物付き不動産は土地と建物の内訳が重要です。

購入時に納めた登録免許税や不動産取得税などが取得費になり得る点は見落とされやすく、証憑があるかで精度が変わります。

  • 購入代金・建築代金・購入手数料
  • 設備費・改良費・造成費用など
  • 購入時の登録免許税や不動産取得税が取得費になる場合がある
  • 根拠:国税庁(取得費となるもの)

譲渡費用は「売るために直接かかった費用」に限定する

譲渡費用は、土地や建物を売るために直接かかった費用であり、仲介手数料や測量費、契約書の印紙代などが典型です。

売却のために借家人へ支払った立退料や、建物を取り壊して土地を売る場合の取壊し費用も、条件により譲渡費用に該当します。

一方で、売却後の引っ越し代や新居の家具購入などは「売るために直接かかった費用」ではないため、混ぜない運用が安全です。

譲渡費用になりやすい 仲介手数料、測量費、印紙代、立退料、取壊し費用
混同しやすい 引っ越し代、修繕費、ローン返済そのもの
根拠 国税庁(譲渡費用の説明)

取得費が分からないときは概算取得費のルールがある

取得費が分からない場合や、実際の取得費が譲渡価額の5%より少ない場合には、譲渡価額の5%を取得費とすることができます。

この概算取得費は救済策ですが、実額の取得費が残せるなら、結果として税額が下がることも多いので、当時の契約書や領収書の探索には価値があります。

建物の取得費が論点になるときは、土地と建物の按分や減価償却の取り扱いも絡むため、早い段階で計算表を作るとミスが減ります。

  • 概算取得費:譲渡価額の5%
  • 使える場面:取得費不明、または実額が5%未満
  • 方針:実額が出せるなら実額優先で検討する
  • 根拠:国税庁(取得費の注記)

所有期間と税率を押さえると売る時期の判断がしやすい

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長期か短期かで税率が大きく違うため、判定基準と税率の中身をセットで理解する必要があります。

所有期間の判定は「譲渡した年の1月1日」が基準

長期譲渡所得は譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるものをいい、短期は5年以下です。

この基準のため、たとえば取得日から丸5年を過ぎていても、1月1日時点で5年を超えていなければ短期扱いになり得ます。

相続取得の場合は被相続人の取得日から通算して判定するのが原則で、相続直後の売却でも長期扱いになることが多い点が特徴です。

  • 判定日:売却日ではなく譲渡年の1月1日
  • 5年超:長期、5年以下:短期
  • 相続取得:被相続人の取得日を原則通算
  • 根拠:国税庁(長期と短期の区分)

長期の税率は所得税15%と住民税5%が基本

長期譲渡所得の税額計算は、課税長期譲渡所得金額に所得税15%と住民税5%をかけるのが基本です。

実際には、平成25年から令和19年まで復興特別所得税として基準所得税額の2.1%が上乗せされる仕組みがあり、合算すると約20.315%として説明されることが多いです。

長期の範囲でも、マイホームの軽減税率など別の特例が適用されると、所得税部分が10%や15%に分かれるケースがあります。

基本税率 所得税15%+住民税5%
復興特別所得税 基準所得税額×2.1%が上乗せ
根拠 国税庁(長期譲渡所得の税額)

短期の税率は所得税30%と住民税9%が基本

短期譲渡所得は、課税短期譲渡所得金額に所得税30%と住民税9%をかけるのが基本です。

短期でも復興特別所得税の上乗せは同様に発生し、税率の見かけは約39.63%として案内されます。

短期は税率が高い分、売却時期を数か月調整するだけで長期に切り替わるなら、手取りへの影響が大きくなりやすい領域です。

基本税率 所得税30%+住民税9%
復興特別所得税 基準所得税額×2.1%が上乗せ
根拠 国税庁(短期譲渡所得の税額)

住民税は申告後に課税されるため資金繰りを先に作る

譲渡所得の確定申告を行うと、その情報が自治体に連携され、翌年度の住民税として課税されるのが一般的です。

売却益が大きいと、所得税の納付に加えて住民税の支払いが後から来るため、納税資金の取り置きがないと資金繰りが苦しくなります。

特例で所得税がゼロになっても、住民税も同様にゼロになるのかは適用関係で変わるため、特例の効果を所得税だけで判断しないのが安全です。

  • 所得税:確定申告で納付するのが基本
  • 住民税:申告内容を基に自治体が課税するのが一般的
  • 対策:売却代金から納税資金を先に確保する

特例を使うかどうかで譲渡税はゼロにも大幅増にもなる

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譲渡税の最適化は、税率の低い方を選ぶというより、使える特例を漏らさないことが本質です。

3,000万円特別控除はマイホーム売却の最重要チェック

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除は、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できるため、売却益が3,000万円以内なら課税ゼロになり得ます。

現に住んでいる家だけでなく、以前住んでいた家でも、住まなくなってから一定期限内に売るなどの要件を満たせば対象になります。

一方で、親子や夫婦など特別の関係がある人への売却は適用できないなど、入口要件で落ちるケースもあるため、契約前に要件を確認すると安全です。

10年超のマイホームは軽減税率で所得税が下がる

所有期間が10年を超えるマイホームの売却では、一定要件のもとで軽減税率の特例が適用されることがあります。

この特例は、課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下の部分は所得税10%、6,000万円超の部分は所得税15%として計算する仕組みです。

ここでも復興特別所得税は基準所得税額に上乗せされるため、実際の納付額は計算式に沿って確認する必要があります。

課税長期譲渡所得金額 所得税の計算
6,000万円以下 A×10%
6,000万円超 (A-6,000万円)×15%+600万円
根拠 国税庁(マイホーム軽減税率)

特別控除には種類があり併用制限もある

譲渡所得の特別控除はマイホームの3,000万円だけではなく、公共事業などの5,000万円控除や低未利用土地等の100万円控除など複数あります。

特別控除はその年の譲渡益全体を通じて合計5,000万円が限度になるなど、使い方に制限があるため、複数の譲渡がある年は順序も意識する必要があります。

マイホームの3,000万円特別控除は、買換え特例など他の特例との排他関係があるため、どちらが得かを計算で比較するのが現実的です。

代表的な特別控除 5,000万円、3,000万円、2,000万円、100万円など
合計限度 その年の譲渡益全体で合計5,000万円が限度
根拠 国税庁(譲渡所得の特別控除の種類)

相続した空き家は別枠の3,000万円特例がある

被相続人の居住用財産である空き家を相続して売却する場合、一定要件を満たすと譲渡所得から特別控除を受けられる特例があります。

この特例はマイホームの3,000万円特別控除とは別の制度であり、相続から売却までの期限や家屋の条件など、要件の形が異なります。

相続不動産の売却は所有期間の通算や取得費の引継ぎなど論点が増えるため、適用可否を早い段階でチェックすると手戻りが減ります。

  • 対象:被相続人の居住用財産(空き家)など
  • ポイント:期限要件や家屋の条件がある
  • 注意:マイホーム3,000万円特別控除とは別制度で要件が違う
  • 根拠:国税庁(空き家を売ったときの特例)

確定申告の流れを知ると譲渡税の支払いに慌てない

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譲渡所得は分離課税で計算し、特例を使う場合も原則として確定申告が必要です。

申告時期は原則として翌年2月16日から3月15日まで

所得税法では、その年の所得について翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納付するのが原則です。

不動産売却が年末に重なると、準備期間が短くなるため、売却が決まった段階で取得費や譲渡費用の資料を集めておくと安心です。

申告期限が土日祝に当たる年は翌平日に延長されるため、最新の期限は国税庁の案内で確認するのが確実です。

  • 原則の申告期間:翌年2月16日から3月15日まで
  • 原則の申告期限:翌年3月15日
  • 根拠:国税庁(確定申告)

特例適用には計算明細書などの添付が必要になる

3,000万円特別控除や軽減税率などの特例は、自動で適用されるものではなく、所定の書類を添えて確定申告をすることが必要です。

提出書類として、譲渡所得の内訳書や登記事項証明書などが求められるケースがあり、状況により住民票の写し等が追加で必要になることもあります。

書類不足で特例が否認されると税額が跳ねるため、要件の確認と書類準備を同時に進めるのが実務的です。

よく出る書類 譲渡所得の内訳書、登記事項証明書など
追加になり得る書類 住所と所在地が異なる場合の補足書類など
根拠 国税庁(手続きの記載)

e-Taxと申告書作成コーナーを使うと計算ミスが減る

譲渡所得は分離課税で計算し、付表や明細書も必要になるため、手計算だけで完結させると転記ミスが起こりやすい領域です。

国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、案内に沿って入力することで必要な書類が自動作成されるため、形式ミスの予防になります。

ただし入力の元になる取得費や譲渡費用の整理は自分で行う必要があるため、領収書の分類が最重要作業である点は変わりません。

迷ったら税理士へ相談すべき典型パターン

土地と建物の按分や減価償却の計算が絡むケースは、数字の前提が崩れると税額が大きく変わります。

共有名義や相続不動産で持分や取得費の引継ぎが複雑な場合も、論点が増えるため、確認コストを払ってでも早期に整理した方が結果的に安く済むことがあります。

特例の併用可否や排他関係の判断が必要なときは、複数案を並べて税額を比較する必要があるため、専門家の得意領域です。

相談推奨 相続、共有、複数年にまたぐ特例判断、建物の計算が重いケース
自力で進めやすい 単純な土地売却で資料が揃い、特例も使わないケース
前提確認 国税庁(分離課税の考え方)

譲渡税で迷ったら最初に確認したい要点

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譲渡税は売却代金ではなく譲渡所得にかかるため、まずは取得費と譲渡費用を集めて利益の有無を確定させます。

税率は譲渡年の1月1日時点の所有期間で長期か短期かを判定し、長期は所得税15%と住民税5%、短期は所得税30%と住民税9%が基本になります。

マイホームの3,000万円特別控除や10年超の軽減税率など、特例の適用可否で税額がゼロにもなるため、要件の確認と書類準備を売却前から進めます。

確定申告は原則として翌年2月16日から3月15日までに行い、申告後に住民税が課税される点も含めて納税資金を確保しておくと安心です。