NPO法人の不動産売却でまず押さえる7つの要点|手続きと税金の落とし穴を避けるには!

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法務

NPO法人でも不動産売却は可能である。

ただし「誰が決めるのか」と「どこまで決議が必要か」を誤ると、契約が進んだ後に差し戻しが起きやすい。

定款と議事録と税務区分を最初に整えるほど、価格交渉や登記の段取りがスムーズになる。

本記事では、NPO法人の不動産売却で実務上つまずきやすい要点を、手続きと税金の両面から整理する。

  1. NPO法人の不動産売却でまず押さえる7つの要点
    1. 定款で売却の決裁ルートを先に確定する
    2. 理事会と社員総会の役割分担を誤らない
    3. 定款変更が必要になるケースを早期に見抜く
    4. 議事録は「売却理由」と「価格根拠」を書き切る
    5. 仲介会社選びは「非営利の事情」を理解するかで決める
    6. 売買契約は特約よりも「責任の範囲」を最初に決める
    7. 税金と会計区分を「収益事業かどうか」から判断する
  2. 売却前に決めるべき意思決定の流れ
    1. 理事会で決める事項をテンプレ化する
    2. 社員総会で決める場合は議決要件を守り切る
    3. 利益相反と関係者取引は先に洗い出す
    4. 決議と契約の順番を逆にしない
  3. NPO法人の不動産売却に関わる税金の基本
    1. 法人税は収益事業の区分から考える
    2. 登録免許税は登記の種類で税率が変わる
    3. 印紙税は契約書の「記載金額」と「原本の扱い」が鍵になる
    4. 消費税は土地と建物で扱いが分かれる
  4. 高く売るための実務チェックリスト
    1. 査定は「机上」と「訪問」を使い分ける
    2. 売却資料は「説明責任」の観点で整える
    3. 内覧対応は「買主の疑問」を先回りする
    4. 決済日までの段取りを「登記」と一体で設計する
  5. トラブルを避ける契約・法務ポイント
    1. 媒介契約は売却方針と相性で選ぶ
    2. 契約不適合責任は免責範囲を具体化する
    3. 賃貸中や利用中の不動産は権利関係を整える
    4. 売却益の使い方は「非営利性」を意識して説明する
  6. 不動産を売却した後にやることを整理しよう

NPO法人の不動産売却でまず押さえる7つの要点

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最初に「決議」「定款」「税務」「登記」を同時に点検すると、売却の途中で止まるリスクを大きく減らせる。

定款で売却の決裁ルートを先に確定する

不動産売却は金額が大きく、内部手続きが曖昧だと意思決定が二転三転しやすい。

定款や内規に「理事会決議が必要」「社員総会決議が必要」などの定めがある場合は、その順番に従う必要がある。

定款に特別の定めを置ける事項もあるため、現在の条文を前提に手続きを組み立てることが重要である。

判断に迷うときは、所轄庁が公表している手引きや自法人の直近の議事録運用を照合するとズレが見えやすい。

社内で決裁フローを図に落とし、誰が最終承認者かを一度で説明できる状態にしておくと交渉が強くなる。

  • 定款の「会議」「議決」「代表権」条項を確認
  • 理事会で決める事項と総会で決める事項を分ける
  • 売却価格の下限と決裁者を事前に決める
  • 利害関係者がいる場合の議決参加ルールを確認

理事会と社員総会の役割分担を誤らない

NPO法人の業務決定は理事の過半数で行うのが原則であり、定款で別の定めを置くこともできる。

一方で、定款の変更などは社員総会の議決が必要となり、議決要件も法律で枠組みが示されている。

不動産売却そのものが総会決議事項かどうかは定款次第だが、少なくとも重大案件として総会に上げる運用は多い。

後から「総会を通していない」と指摘されないよう、理事会決議と総会決議を分けて議事録を残すのが安全である。

手続きの根拠として、所轄庁の手引きにある定款変更の議決要件などもあわせて確認しておくと説明が通りやすい。

論点 業務決定と総会事項の切り分け
確認先 所轄庁向け手引き/自法人の定款
よくある失敗 理事会だけで進めて後から総会差し戻し
対策 決議を二段構えにして議事録を整備

定款変更が必要になるケースを早期に見抜く

売却対象が定款で特別に位置づけられている場合、売却に先立って定款変更が必要になることがある。

定款変更は社員総会の議決が必要で、一定事項の変更は所轄庁の認証が必要とされる枠組みがある。

認証が必要な変更では縦覧や審査期間が入るため、売却スケジュール全体に影響する。

特に「基本財産」などの扱いを定款で定めている法人は、売却による条文修正や附表整理が必要になりやすい。

仲介会社に査定を依頼する前に、定款と財産目録の整合を一度点検しておくとやり直しが減る。

  • 定款に不動産の記載や「基本財産」規定があるか
  • 定款変更が必要な場合の認証フローを把握
  • 総会議決要件と議事録様式を確認
  • 認証が絡むなら売却時期を逆算する

議事録は「売却理由」と「価格根拠」を書き切る

不動産売却は外部から見てもインパクトが大きく、説明可能性が弱いと内部外部の双方で不信を招きやすい。

議事録には、売却の必要性と代替案検討、売却益の使途方針を明確に残すことが重要である。

価格根拠として、複数社査定や近隣成約事例、修繕履歴などの根拠資料を添付できる形にしておくと強い。

「いくら以上なら売る」「この条件なら撤退する」という判断基準も議決に含めると、交渉中の迷いが減る。

決議が曖昧だと代表者に判断が集中し、後から責任問題になるため、基準を議事録に落とす意義は大きい。

必須要素 売却目的/売却対象/決議日/決議結果
根拠 査定書/成約事例/修繕履歴/収支見込み
判断基準 最低売却価格/引渡し条件/特約の許容範囲
使途 活動費/設備投資/借入返済などの方針

仲介会社選びは「非営利の事情」を理解するかで決める

一般の個人売却と違い、NPO法人は決議や情報公開の都合で意思決定に時間がかかる場合がある。

この特性を理解しない仲介だと、スケジュールが合わず強引に契約を迫られやすい。

査定は1社だけでなく複数社に依頼し、価格だけでなく販売戦略と説明力を比較することが大切である。

レインズ戦略や広告の出し方、内覧体制まで具体的に言語化できる会社は成果が出やすい。

担当者が議事録や決裁フローの重要性を理解しているかは、初回面談の質問で見抜ける。

  • 媒介契約の種類と提案理由を説明できるか
  • 査定価格の根拠を成約事例で示せるか
  • 決議プロセスに合わせたスケジュールを組めるか
  • 契約条項のリスクを先に説明してくれるか

売買契約は特約よりも「責任の範囲」を最初に決める

不動産売買では、契約不適合責任や設備の不具合対応など、引渡し後の責任が争点になりやすい。

NPO法人側がどこまで修補や損害負担をするのかを、現状有姿の扱いも含めて明確にする必要がある。

賃貸中の物件なら、賃貸借の承継や敷金精算、更新条件も契約前に整えるべきである。

抵当権や仮登記がある場合は抹消段取りを登記手続きと一体で組むことで当日の混乱を避けられる。

条文は難しく見えるが、争点は限られるため、チェック項目を固定化して見落としを防ぐとよい。

条項テーマ 契約不適合責任
確認ポイント 期間/免責範囲/修補義務の有無
条項テーマ 現状有姿
確認ポイント 設備表・告知書との整合
条項テーマ 引渡し条件
確認ポイント 境界確認/残置物/賃借人対応

税金と会計区分を「収益事業かどうか」から判断する

NPO法人は法人税法上の公益法人等とみなされ、収益事業を行う場合に申告が必要になる整理がある。

不動産売却益が課税対象になるかは、売却がどの会計区分に属するかや、収益事業との関係で判断が分かれる。

賃貸事業など収益事業に属する固定資産の処分損益は、原則として収益事業に係る損益となる考え方がある。

一方で、単発の売却でも「継続して売買する形」に見えると不動産販売業として扱われる余地があり注意が必要である。

税務は個別事情で結論が変わるため、収益事業の有無と資産の位置づけを前提に、税理士へ早めに整理してもらうと安全である。

売却前に決めるべき意思決定の流れ

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不動産売却は交渉が先行しがちだが、先に意思決定の段取りを固めるほど価格交渉が安定する。

理事会で決める事項をテンプレ化する

理事会で決める事項は、仲介選定、査定依頼、売出し条件の一次案など、交渉を始めるための土台が中心になる。

ここで決めるべきは「担当者」「期限」「承認条件」であり、抽象的な賛成だけでは動けない。

理事会の議決は過半数が原則で、定款に特別の定めがある場合はそちらが優先される。

議案を毎回ゼロから作ると抜け漏れが出るため、定型議案と添付資料の型を作っておくとよい。

理事会で決めた内容が総会に上がる前提なら、総会向け説明資料まで同時に作ると二度手間が減る。

  • 売却の目的と背景
  • 売却スケジュールの骨子
  • 売出し価格と最低価格の考え方
  • 担当理事と外部専門家の体制

社員総会で決める場合は議決要件を守り切る

社員総会で議決する場合は、招集手続き、定足数、議決割合など、形式要件を満たすことが最重要になる。

定款変更を伴う場合は総会議決が必要で、法律上の議決要件が示されている。

所轄庁の認証が必要な定款変更もあるため、総会議事録の謄本や変更後定款の準備が不可欠である。

書面や電磁的記録で全員同意がある場合に決議とみなす仕組みもあるため、実務に合う方法を選ぶとよい。

総会議決が絡むと日程調整がボトルネックになりやすいので、早い段階で開催予定日を仮押さえするのが現実的である。

論点 総会議決が必要か
根拠確認 所轄庁手引きの定款変更の記載/自法人の定款
実務 招集通知/出席確認/議事録署名
注意 形式不備は後から修正しにくい

利益相反と関係者取引は先に洗い出す

買主や仲介が役員や関係者に近い場合、手続きの公正さが疑われやすい。

疑義が残ると内部の合意形成が崩れ、売却後に説明責任が重くなる。

関係者取引は、価格の妥当性と比較可能性を示すことが重要であり、第三者査定や入札方式が有効になる。

議事録には利害関係の有無と、議決への参加制限の扱いを明確に残すと後から説明しやすい。

透明性を担保すると交渉が遅くなるどころか、結果的にスムーズに決まるケースが多い。

  • 役員・職員・主要寄付者との関係を確認
  • 複数社査定で価格妥当性を補強
  • 議決参加の可否と根拠を整理
  • 第三者の同席や監査的レビューを検討

決議と契約の順番を逆にしない

先に買付や契約条件が固まり、後から決議を取る流れになると、決議が実質的に追認になりやすい。

追認型の運用は、反対意見が出たときに破綻しやすく、違約金の問題にもつながる。

理事会や総会の決議は、契約締結権限の付与と条件の範囲設定まで含めるのが安全である。

契約締結日を決議後に設定し、特約で「決議が得られない場合は解除」などの条件を入れる設計もある。

仲介や買主に対しても、NPO法人の意思決定プロセスを最初に説明し、合意形成を前提に交渉を進めるべきである。

安全な順序 査定→方針決議→売出し→条件合意→契約→決済・登記
危険な順序 買付→契約条件確定→後追い決議
対策 決議条件を契約に反映
効果 差し戻しと違約金リスクを抑制

NPO法人の不動産売却に関わる税金の基本

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税金は「課税されるかどうか」だけでなく「どの税目がいつ発生するか」を押さえると資金繰りが安定する。

法人税は収益事業の区分から考える

NPO法人は収益事業を行う場合に法人税の申告が必要になる整理が国税庁の案内でも示されている。

不動産売却益が収益事業に含まれるかは、対象資産が収益事業に属するか、売却行為が事業として継続しているかで見え方が変わる。

賃貸など収益事業に属する固定資産を処分した場合の損益は、原則として収益事業に係る損益となる考え方がある。

一方で、長期保有資産の処分損益の取り扱いには例外規定もあるため、通達や個別事情の確認が欠かせない。

結論を急がず、会計区分と資産台帳を整えたうえで専門家に照会すると、申告ミスと追徴のリスクを抑えられる。

  • 国税庁のNPO法人の法人税Q&Aで全体像を確認
  • 収益事業の有無と対象資産の所属を整理
  • 売却益の見込みと納税資金を分けて管理
  • 申告が必要な場合は期限から逆算

登録免許税は登記の種類で税率が変わる

売買による所有権移転登記には登録免許税がかかり、税率は制度上の区分で決まる。

国税庁の税額表では、土地の売買による移転登記の税率や軽減税率の期間が示されている。

実務では固定資産課税台帳の価格を課税標準に用いるのが原則であり、事前に市町村で確認すると見積もりが正確になる。

登記費用は買主負担が一般的でも、契約交渉で変わるため、費用分担を必ず契約書に明記する。

司法書士に依頼する場合は報酬も含めて見積もりを取り、決済日までに必要資金を確保しておくと安心である。

税目 登録免許税
典型ケース 売買による所有権移転登記
根拠 国税庁の登録免許税の税額表
実務ポイント 課税標準は固定資産税評価額が原則

印紙税は契約書の「記載金額」と「原本の扱い」が鍵になる

不動産売買契約書は課税文書になりやすく、印紙税の要否と金額を確認しておく必要がある。

印紙税は契約書の記載金額で税額が決まるため、契約締結前に税額表で概算しておくと資金繰りが崩れにくい。

電子契約にすると印紙税が不要になるケースもあるため、仲介と買主の対応可否を早めに確認するとよい。

契約書を複数通作成する場合は原本ごとに課税関係が生じ得るため、原本の定義と保管方法も整理する。

自治体との取引や助成金の条件が絡む場合は、書類形式の指定があることも多いので、形式を先に固めるべきである。

  • 課税文書かどうかを確認
  • 記載金額で印紙税額を概算
  • 電子契約の可否を確認
  • 契約書の通数と原本管理を整理

消費税は土地と建物で扱いが分かれる

不動産取引では、土地と建物で消費税の課否が分かれるため、契約の内訳設計が重要になる。

建物部分や仲介手数料は消費税の対象になり得るため、適格請求書や課税区分の整理が必要である。

免税事業者か課税事業者かで実務影響が大きく、インボイス対応も絡むため、年度をまたぐ場合は特に注意したい。

売却代金の受領時期と課税売上の計上時期がずれると資金繰りが苦しくなるため、決済日と入金条件を設計しておく。

消費税は制度変更の影響も受けやすいので、契約前に最新の取り扱いを専門家へ確認するのが安全である。

論点 土地と建物の区分
影響 消費税の課否と税額が変わる
関連費用 仲介手数料/司法書士報酬など
実務 契約書の内訳と請求書管理

高く売るための実務チェックリスト

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価格は市場要因だけでなく、準備の質で上振れ余地が生まれるため、売却前の整備が効く。

査定は「机上」と「訪問」を使い分ける

机上査定はスピードが早い一方で、物件の状態や管理状況が反映されにくい。

訪問査定は精度が上がるため、売却方針を固める段階では訪問査定を中心に比較するとよい。

複数社を同条件で比較するために、同じ資料セットを渡し、同じ質問をする形にすると差が見える。

価格だけでなく「どんな買主を想定するか」と「販売期間の見立て」を確認すると、実現可能性が分かる。

NPO法人の意思決定期間を伝え、スケジュールに無理のない提案をする会社を優先するとストレスが減る。

  • 査定依頼は3社以上で比較
  • 資料は同一条件で提出
  • 想定買主と販売戦略を質問
  • 売却期間の見立てを確認

売却資料は「説明責任」の観点で整える

資料の出来は内覧後の印象だけでなく、決裁者への説明のしやすさにも直結する。

修繕履歴や設備表、賃貸借契約書、境界関係資料などを揃えるほど、買主の不安が減って値引きが起きにくい。

建物状況調査やインスペクションの活用は、トラブル回避と価格維持に効果がある。

資料が不足している場合は「不明」と明記し、後で食い違いが出ないようにする姿勢が重要である。

組織としての透明性を意識し、理事会や総会で共有できる資料束にしておくと意思決定も早くなる。

カテゴリ 物件資料
登記簿/公図/測量図/建築確認
カテゴリ 管理資料
修繕履歴/設備表/点検記録
カテゴリ 収益資料
賃貸借契約/入金実績/支出明細

内覧対応は「買主の疑問」を先回りする

内覧では感覚的な印象が価格交渉に直結するため、現場の整え方が効く。

清掃や臭い対策だけでなく、雨漏り跡や設備不具合などのマイナス要素を把握して説明できる状態が重要である。

賃貸中の物件は入居者対応が難点になりやすいので、内覧方法や事前告知のルールを決めておく。

買主が確認したい資料をその場で提示できると信頼が上がり、条件がまとまりやすい。

NPO法人として売却益の使途を聞かれることもあるため、説明方針を統一しておくと対応がぶれない。

  • 不具合の把握と説明準備
  • 内覧動線と見せ方の工夫
  • 質問集を作って回答を統一
  • 提示資料を当日すぐ出せる形にする

決済日までの段取りを「登記」と一体で設計する

売買契約から決済までの間に、抵当権抹消や境界確認など、期限がある作業が集中する。

司法書士と早めに打ち合わせを行い、必要書類と当日の持参物を確定すると抜け漏れが減る。

代表者の本人確認書類や印鑑証明の取得期限など、法人側の準備事項も多い。

決済当日は、送金確認と同時に登記申請へ進むため、遅延が起きると全員のスケジュールが崩れる。

買主側のローン条件がある場合は、融資承認の期限と契約解除条件も含めて全体を管理する必要がある。

時期 契約直後
主な作業 必要書類洗い出し/抹消段取り
時期 決済1〜2週間前
主な作業 印鑑証明取得/最終残金確認
時期 決済当日
主な作業 送金確認/登記申請/引渡し

トラブルを避ける契約・法務ポイント

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契約トラブルは「知らなかった」よりも「決めていなかった」ことから起きるため、争点を先に潰すべきである。

媒介契約は売却方針と相性で選ぶ

媒介契約には複数の形があり、情報公開の範囲や報告頻度が変わる。

短期で売り切りたいのか、価格重視で時間を取るのかで適する契約形態は変わる。

NPO法人は決裁が必要で動きが遅く見えるため、報告頻度が高い形を選ぶと意思決定がしやすい。

囲い込みリスクや広告戦略も含め、契約前に仲介の行動ルールを合意することが重要である。

契約書に「報告方法」「広告の可否」「違約時の扱い」を書き切ると後の揉め事が減る。

  • 売却優先順位を明確化
  • 報告頻度と手段を固定
  • 広告の出し方を事前合意
  • 他社紹介の扱いを確認

契約不適合責任は免責範囲を具体化する

引渡し後に不具合が見つかると、修理費や減額請求などに発展しやすい。

免責にする場合でも、告知すべき事項を告知せずに免責とする設計は危険である。

設備表と告知書を丁寧に作り、把握している事実は書面に落とすのが基本である。

築古物件や用途が特殊な物件は、買主の期待値がずれやすいので、現状の状態を具体的に示す必要がある。

争点は「どこまで知っていたか」になりやすいため、記録と説明を残す姿勢が最大の防御になる。

準備物 設備表/告知書/修繕履歴
決めること 責任期間/免責範囲/対応方法
注意 口頭説明だけで済ませない
効果 値引きと紛争の抑制

賃貸中や利用中の不動産は権利関係を整える

賃借人がいる場合、買主は収益性とリスクを同時に見ており、情報不足は値下げ要因になる。

賃貸借契約の内容、敷金、更新条件、滞納の有無などを整理して提示できるようにする。

自法人が使用している施設を売る場合は、移転計画と活動継続計画がないと合意形成が難しくなる。

共有名義や境界未確定がある場合は、売却前に解消できるかを見極め、難しいなら条件に織り込むべきである。

権利関係は契約後に直しにくいので、早い段階で専門家に棚卸しを依頼するとよい。

  • 賃貸借契約書と入金実績を整理
  • 敷金精算と承継のルールを確認
  • 活動継続の代替案を用意
  • 境界と共有関係を事前に点検

売却益の使い方は「非営利性」を意識して説明する

売却益が出た場合でも、NPO法人は利益分配をしないことが前提である。

売却益の使途が特定非営利活動の目的に沿っているかは、内部統治と対外説明の要になる。

収益事業を行っている場合も、利益の扱いと会計区分の整合が重要であり、説明が曖昧だと不信につながる。

寄付者や支援者への説明を想定し、使途方針を総会資料にまとめると透明性が高まる。

説明責任を果たすことは、次の寄付や連携の信用にも直結するため、最後まで手を抜かないほうがよい。

説明先 社員/支援者/関係機関
説明対象 売却理由/価格根拠/使途方針
資料 議事録/収支見込み/事業計画
効果 透明性向上と合意形成の加速

不動産を売却した後にやることを整理しよう

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売却が完了したら、入金管理と登記確認を終えたうえで、会計処理と情報公開を漏れなく進める必要がある。

売却益や関連費用を適切な区分で計上し、収益事業の有無に応じて申告要否を確認する。

定款や資産の状況に変更が生じる場合は、必要な手続きが残っていないかを所轄庁の案内で点検する。

売却益の使途は事業計画や予算に落とし込み、支援者に説明できる形で残すと信頼が積み上がる。

最初に決裁と資料を整えておけば、売却は単なる資産処分ではなく、活動を前に進めるための戦略として機能する。