離婚でマンションを売る前に決める4つの方針|揉めずに手取りを最大化するコツは?

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法務

離婚を機にマンションを売るかどうかは、気持ちの整理より先に「お金と権利」の整理が必要になります。

名義と住宅ローンが絡むと、どちらかが感情だけで動いた瞬間に手続きが止まりやすいからです。

売却の進め方は家庭ごとに違いますが、判断の順番は共通しています。

この記事では、離婚でマンションを売るときに決めるべきことと、売却・登記・税金でつまずかない考え方を整理します。

  1. 離婚でマンションを売る前に決める4つの方針
    1. 売却か継続居住かを先に固定する
    2. 名義と住宅ローンの「当事者」を図で整理する
    3. 売却益と残債をどう分けるかを文章で決める
    4. 離婚前に売るか離婚後に売るかの優先順位を決める
    5. 相談先を「役割」で分ける
  2. 住宅ローンが残っているマンションを売るときの注意点
    1. アンダーローンかオーバーローンかを数値で判定する
    2. 売却代金の清算フローを決済単位で理解する
    3. オーバーローンなら任意売却も選択肢になる
    4. 連帯保証と連帯債務は「離婚後も続く契約」として扱う
  3. 財産分与と税金で損しない考え方
    1. 財産分与は通常、贈与税がかからない
    2. 不動産を「渡す側」に譲渡所得課税が生じることがある
    3. 売却なら3,000万円特別控除が使えるか確認する
    4. 確定申告で困らないための準備物を先に揃える
  4. 売却の手続きと必要書類のチェックリスト
    1. 売却活動はステップで進めるほど揉めにくい
    2. 不動産会社に渡す書類は「本人確認」と「物件情報」に分かれる
    3. 売買契約と引渡しで揉めないための実務ルールを決める
  5. 名義変更する場合の登記と費用感
    1. 登記の種類と登録免許税のイメージを掴む
    2. ローンがあるなら「名義変更=解決」にならない
    3. 登記申請で揃える書類をチェックリスト化する
  6. 離婚のマンション売却は「合意の文章化」で9割決まる

離婚でマンションを売る前に決める4つの方針

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離婚でマンションを売る場面は、まず「方針」を揃えるほどスムーズになります。

ここでいう方針は、売るか残すかだけでなく、ローンと名義と精算方法までをセットで決めることです。

最初に4つを決めると、査定や不動産会社選びもブレにくくなります。

売却か継続居住かを先に固定する

最初に決めるべきは、売却して清算するのか、どちらかが住み続けるのかです。

住み続ける選択は、名義変更やローン再審査などの難易度が上がりやすい点に注意が要ります。

一方で売却は、感情面の負担はあっても、手続きとしては整理しやすい傾向があります。

  • 売却して清算:揉めごとの種を減らしやすい
  • 片方が住む:ローンと名義の整理が難しくなりがち
  • 賃貸に出す:管理と収益配分で争点が増えやすい
  • 一時保留:期限を決めないと先延ばしになる

名義と住宅ローンの「当事者」を図で整理する

マンションの名義人と住宅ローンの契約者が一致していないと、売却の合意形成が難しくなります。

特に連帯保証や連帯債務があると、離婚後も支払いリスクが残りやすい点が重要です。

住宅ローンの名義変更は原則難しいという前提で、金融機関と調整する必要があります。

確認ポイント 登記簿の名義人/ローン契約者/連帯保証人/連帯債務者
よくあるズレ 名義は夫婦共有だがローンは単独名義
リスク 離婚後も滞納時に請求が及ぶ
参考情報 住宅ローンの名義変更は基本的に不可(SBI新生銀行)

売却益と残債をどう分けるかを文章で決める

売却で利益が出る場合も、残債が残る場合も、精算ルールを文章化しておくほど揉めにくくなります。

財産分与としての公平感を優先するなら、拠出割合と生活事情を分けて考えるのが現実的です。

口約束のまま進めると、決済直前に条件が変わって売却自体が崩れます。

  • 頭金や繰上返済の拠出があるかを洗い出す
  • 売却諸費用をどちらが負担するか決める
  • 残債が残る場合の支払い計画を先に決める
  • 合意内容は離婚協議書等に落とし込む

離婚前に売るか離婚後に売るかの優先順位を決める

離婚前に売却を終えると、共同生活の中で内覧や片付けが負担になりやすい一方で、協力を得やすい面もあります。

離婚後に売却する場合は、連絡の断絶や合意の撤回が起きると手続きが止まりやすくなります。

税や名義変更の扱いは状況で変わるため、選択の根拠を明確にしておくことが重要です。

タイミング メリット 注意点
離婚前に売る 合意形成を取りやすい 内覧対応で衝突しやすい
離婚後に売る 生活を分けてから整理できる 連絡不通で停滞しやすい
片方が住んで後日売る 転居の負担を抑えられる 期限が曖昧だと揉めやすい

相談先を「役割」で分ける

離婚のマンション売却は、誰に相談するかで結果が変わります。

不動産会社は売却の実務が得意で、弁護士は合意形成や紛争対応が得意です。

司法書士は登記の実務を担い、税理士は譲渡所得や申告の整理に強いです。

  • 売却価格と販売戦略:不動産会社
  • 合意書とトラブル対応:弁護士
  • 名義変更と登記:司法書士
  • 譲渡所得と確定申告:税理士

住宅ローンが残っているマンションを売るときの注意点

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住宅ローンが残っていても売却は可能ですが、残債の状態によって手順が変わります。

特にオーバーローンの場合は、通常売却だけでは抵当権が外せず、金融機関との調整が必要です。

「売れば終わり」にならない論点を先に押さえておくと、離婚後の事故を減らせます。

アンダーローンかオーバーローンかを数値で判定する

まずは売れる見込み額と残債を並べて、清算できるかを確認します。

査定は1社だけだとブレるため、複数社の机上査定と訪問査定を使い分けるのが現実的です。

売却価格が残債を上回るなら、決済時に完済して抵当権抹消へ進めます。

  • 残債:返済予定表や金融機関の残高証明で確認する
  • 概算売値:机上査定で幅を把握する
  • 確度:訪問査定で根拠を詰める
  • 差額:売却諸費用も含めて計算する

売却代金の清算フローを決済単位で理解する

売却代金はそのまま夫婦で分けるのではなく、決済で必要な支払いが優先されます。

ローン完済と抵当権抹消が完了して初めて、残額が手残りになります。

諸費用を見落とすと、想定していた手残りが消えることがあります。

決済で優先される支払い 残債一括返済/抵当権抹消費用/仲介手数料/精算金
手残りの考え方 売却代金−(残債+諸費用)=手残り
注意点 固定資産税等の清算や修繕積立金も確認する

オーバーローンなら任意売却も選択肢になる

オーバーローンで完済できない場合、金融機関の同意を得て任意売却を検討することがあります。

任意売却は競売より条件が良くなる可能性がありますが、残債が残りやすい点が重要です。

残債が残る限り、連帯保証などの関係が終わらないケースもあります。

連帯保証と連帯債務は「離婚後も続く契約」として扱う

離婚しても、ローン契約が変わらなければ法的な責任は残ります。

相手が滞納すると、連帯保証人に請求が来る可能性があります。

責任を外すには、借り換えや債務者変更など金融機関の同意が必要になるのが一般的です。

論点 ポイント
連帯保証 滞納時に請求され得る
連帯債務 債務者として返済義務が残る
外れる方法 借り換え・完済・金融機関の同意が前提

財産分与と税金で損しない考え方

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離婚でマンションを売るとき、税金の論点は大きく分けて2つあります。

ひとつは売却による譲渡所得で、もうひとつは財産分与が贈与扱いになるかどうかです。

制度は整理されているので、公式情報を軸に判断すると無駄な不安が減ります。

財産分与は通常、贈与税がかからない

離婚によって財産をもらっても、通常は贈与税がかからないとされています。

理由は、贈与ではなく夫婦の財産関係の清算などとして扱われるためです。

ただし過大な分与など例外の余地があるため、合意内容は合理性を持たせます。

不動産を「渡す側」に譲渡所得課税が生じることがある

財産分与で土地建物などを渡すと、渡した側に譲渡所得の課税が行われる扱いがあります。

このときの譲渡価額は、分与時の時価がベースになる考え方です。

不動産を売らずに名義だけ移す場合でも税の論点が出る点に注意が必要です。

ポイント 財産分与でも譲渡所得課税が問題になる場合がある
課税の主体 原則として「分与した人」
公式情報 No.3114 離婚して土地建物などを渡したとき(国税庁)

売却なら3,000万円特別控除が使えるか確認する

マイホームを売ったときは、一定の要件を満たすと譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。

離婚に伴って転居し、過去に居住していた家を売る場合でも、期限などの要件が論点になります。

適用可否は個別事情で変わるため、公式要件を確認してから判断します。

確定申告で困らないための準備物を先に揃える

売却益が出た場合、特例を使う場合でも確定申告が必要になるのが一般的です。

過去の購入契約書や諸費用の領収書が無いと、取得費が不利になりやすいです。

離婚後に探すと紛失しがちなので、売却を決めた時点で回収しておきます。

購入時の資料 売買契約書/重要事項説明書/登記関係書類
費用の資料 仲介手数料/登記費用/リフォーム費用の領収書
売却時の資料 売買契約書/精算書/残債証明

売却の手続きと必要書類のチェックリスト

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「手続き」は売却の進め方で、「法務」は名義や権利の確定に関わる領域です。

離婚の売却では両方が同時に進むため、順番を間違えると停滞します。

ここでは売却実務の流れを、迷いやすいポイントに絞って整理します。

売却活動はステップで進めるほど揉めにくい

売却は査定から引渡しまで、やることが多いようで実は型があります。

夫婦間の合意は「価格」「期限」「連絡手段」まで決めると実務が回ります。

内覧対応をどちらが行うかも、先に役割分担しておくと衝突を減らせます。

  • 相場把握:机上査定で価格帯を掴む
  • 媒介契約:一般か専任かを選ぶ
  • 販売開始:写真と内覧導線を整える
  • 契約と決済:ローン完済と抹消を同日に進める

不動産会社に渡す書類は「本人確認」と「物件情報」に分かれる

書類が揃うほど販売開始が早くなり、不要な連絡回数が減ります。

共有名義の場合は、原則として双方の協力が必要になる場面が増えます。

手元に無い書類は再発行できるものもあるので、早めに確認します。

本人関係 身分証/印鑑(実印が求められる場面)
物件関係 登記識別情報/権利証/管理規約/総会資料
ローン関係 返済予定表/残高証明/抵当権の有無

売買契約と引渡しで揉めないための実務ルールを決める

売買契約の印鑑や手付金の扱いは、離婚の当事者にとって心理的負担になりやすいです。

そこで「連絡はメールのみ」など、やり取りのルールを決めると実務が安定します。

残置物やクリーニングの範囲も、買主との交渉で争点になりやすいので事前に揃えます。

  • 連絡方法と頻度を決めて不必要な口論を避ける
  • 手付金や諸費用の負担ルールを明文化する
  • 残置物の撤去期限を決めておく
  • 引渡し当日の同席可否を決めておく

名義変更する場合の登記と費用感

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離婚で売らずにマンションを残す場合、最重要論点は「名義変更が現実にできるか」です。

住宅ローンがあると、名義だけ移しても問題が解決しないことが多いです。

それでも名義変更が必要なケースはあるため、登記と費用の全体像を押さえます。

登記の種類と登録免許税のイメージを掴む

名義変更は法務局に所有権移転登記を申請して行います。

原因が財産分与であることを示す書面が求められる点が特徴です。

費用の中心は登録免許税と専門家報酬で、ケースにより変動します。

登記の目的 所有権移転(財産分与)
必要になりやすい書面 財産分与協議書等
参考情報 法務局資料(登記申請書の記載例に言及あり)

ローンがあるなら「名義変更=解決」にならない

住宅ローンは、契約者の属性を審査したうえで成立しているため、途中で名義変更できないのが一般的です。

そのため、住む人とローンを払う人を一致させるには、借り換えなど別の手段が必要になります。

名義変更だけ先に進めると、支払い責任と所有権が分離してトラブルになりやすいです。

登記申請で揃える書類をチェックリスト化する

登記は書類が揃えば進みますが、ひとつ欠けると差し戻しになりやすいです。

離婚後は相手の協力を得にくくなるため、必要書類の回収タイミングが重要です。

不安がある場合は、最初だけ司法書士に書類チェックを依頼すると失敗を減らせます。

当事者の書類 印鑑証明書/本人確認書類
不動産の書類 登記識別情報/固定資産評価証明書
原因証明 財産分与協議書等

離婚のマンション売却は「合意の文章化」で9割決まる

木製ダイニングテーブルと子供用キッチンがあるナチュラルなリビング空間

離婚のマンション売却は、売るか残すかを決めたうえで、名義とローンの当事者を揃えることが出発点です。

次に、売却益や残債の分け方と、離婚前後どちらで動くかを決めて、合意を文章にします。

税金は財産分与の贈与税と、譲渡所得の扱いを分けて考えると整理できます。

不安が強い場合は、不動産会社と弁護士と司法書士を役割で分けて相談し、最短で前に進む体制を作ります。

決める順番を守れば、感情に引きずられずに、現実的な手取りと安全を確保しやすくなります。