マンション売却で土地と建物を按分する方法|税金計算に強くなる根拠資料の集め方はこれ!

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税金

マンションを売却するとき、代金を「土地」と「建物」に分ける按分が必要になる場面がある。

特に、確定申告で譲渡所得を計算する場合や、売主が課税事業者で消費税が関係する場合は重要になる。

ところが売買契約書に内訳がないと、後から合理的な基準で説明できる按分根拠を自分で用意しなければならない。

本記事では、マンション売却で土地建物按分を迷わず進めるための手順と、税務上の論点と実務の落とし穴を整理する。

  1. マンション売却で土地と建物を按分する方法
    1. 按分が必要になるのは税金の計算単位が違うから
    2. まず確認すべきは売買契約書の内訳と妥当性
    3. 最も使われやすいのは固定資産税評価額の比率
    4. 相続税評価額で按分するケースと向き不向き
    5. 時価按分は強いが手間とコストが発生する
    6. 売却時だけでなく取得時の按分もセットで考える
    7. 税務署に説明できる「根拠パック」を作っておく
  2. 固定資産税評価額で按分する計算例
    1. 評価額は課税明細書と評価証明書で確認する
    2. 按分比率の計算式は一行で足りる
    3. 数値で追うと、売却代金の内訳がすぐ作れる
    4. 按分でやりがちなミスは「使う金額の取り違え」
  3. マンション特有の注意点
    1. 敷地権割合は土地の持分を表す重要情報になる
    2. 管理費や修繕積立金は按分対象の価格とは別物になる
    3. 建物は専有部分だけでなく共用部分の価値も内包する
    4. 駐車場持分や附属建物があると区分が増える
  4. 税金の論点を整理
    1. 譲渡所得は収入から取得費と譲渡費用を引いて計算する
    2. 建物の取得費は減価償却相当額を差し引く
    3. 消費税は土地が非課税で建物が課税になり得る
    4. 特別控除の適用可否と按分の関係を押さえる
  5. 売買契約書での書き方と実務
    1. 契約書に土地代と建物代を入れるメリット
    2. 内訳がない場合は合理的区分を後追いで作る
    3. 仲介会社と税理士への伝え方で作業効率が変わる
    4. 確定申告で困らないための保存資料チェック
  6. 按分で損しないために押さえる要点

マンション売却で土地と建物を按分する方法

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マンション売却の土地建物按分は、原則として「合理的に説明できる根拠」で比率を作り、売却代金や取得費を分けて計算する。

按分が必要になるのは税金の計算単位が違うから

土地と建物は同じ不動産でも、税務では性質が違う資産として扱われる。

譲渡所得の計算では、土地と建物を分けて取得費や譲渡費用を整理すると説明が通りやすい。

建物は時間とともに価値が減る前提があるため、取得費に減価償却相当額の考慮が入る。

また、売主が課税事業者で課税資産の譲渡に当たるときは、土地は非課税だが建物は課税になり得るので区分が必要になる。

  • 譲渡所得の申告で取得費を整理したい
  • 建物部分の減価償却相当額を反映したい
  • 課税事業者の売却で消費税計算が絡む
  • 将来の税務署説明に備えて根拠を残したい

まず確認すべきは売買契約書の内訳と妥当性

契約書に土地代と建物代が明記されている場合、実務上はその区分を出発点にできる。

ただし、区分が極端で時価とかけ離れていると、合理性を疑われるリスクが出る。

消費税の考え方でも、土地と建物を一括譲渡した場合は合理的な区分が必要とされている。

内訳がある場合でも、固定資産税評価額や査定資料で「だいたい妥当」と説明できる材料をセットで残すと強い。

確認項目 見るべき資料
土地・建物の内訳 売買契約書・重要事項説明書
内訳の妥当性 固定資産税課税明細書・評価証明書
相場との整合 不動産会社の査定書
税務根拠 国税庁(タックスアンサーNo.6301)

最も使われやすいのは固定資産税評価額の比率

按分で迷ったときに採用されやすいのが、固定資産税評価額を基にした比率である。

固定資産税評価額は自治体が課税台帳に基づいて付しており、第三者性がある点が強みになる。

売却代金をこの比率で土地と建物に分けると、計算がシンプルで資料も揃えやすい。

消費税の区分方法としても、固定資産税評価額等を基にした按分が合理的な方法として示されている。

  • 必要資料が入手しやすい
  • 比率計算が単純になりやすい
  • 売却時と取得時の両方に流用しやすい
  • 税務署説明のストーリーを作りやすい

相続税評価額で按分するケースと向き不向き

固定資産税評価額が手元にないとき、相続税評価額を使った按分という考え方もある。

相続税評価額は、土地は路線価等、建物は固定資産税評価額を基礎にすることが多い。

ただしマンションは敷地利用権や評価の前提が絡み、一般の人が独力で厳密に組むのは難しくなる。

そのため、相続税評価額で進めるなら、税理士に確認しながら根拠資料を整えるのが安全になる。

  • 固定資産税評価額が入手できない
  • 相続が絡む売却で資料が揃っている
  • 税理士の関与があり計算根拠を残せる
  • 評価の前提を説明できる

時価按分は強いが手間とコストが発生する

土地と建物の譲渡時点の時価をそれぞれ見積もり、その比率で按分する方法もある。

鑑定評価や複数社査定などで時価根拠を固められれば、説明力は高くなる。

一方で、査定の前提条件が異なると数字がブレるため、採用根拠の整理が必要になる。

争点化しそうなケースでは、費用がかかっても鑑定士評価を検討する価値が出る。

時価根拠 メリット
複数社の査定 比較ができ説明が組みやすい
レインズ成約事例 近い相場感の裏付けになる
不動産鑑定評価 第三者性が最も高い
注意点 前提条件の統一が必要

売却時だけでなく取得時の按分もセットで考える

譲渡所得の計算では、売却代金の按分だけでなく、取得費の土地建物按分も重要になる。

購入時の契約書に内訳がない場合、取得価額の区分について国税庁が示す考え方を踏まえて合理的に分ける必要がある。

取得時の按分が曖昧だと、建物取得費から減価償却相当額を引く計算が不安定になる。

売却時の按分と同じ基準を使うと、説明の一貫性が出て整理しやすい。

  • 購入契約書に土地建物内訳がない
  • 中古マンションを一括価格で購入した
  • リフォーム費用の扱いも整理したい
  • 長期保有で資料が散逸している

税務署に説明できる「根拠パック」を作っておく

按分は「計算式が合っている」だけでなく「なぜその比率なのか」の説明が肝になる。

説明力を上げるには、採用した基準の一次資料と、計算メモをセットで保存するのが基本になる。

固定資産税評価額なら評価証明書や課税明細書を残し、算式と結果を1枚で示す。

消費税区分が絡む場合は、合理的区分の考え方が示される資料も控えとして置く。

保管物 具体例
評価資料 課税明細書・評価証明書
相場資料 査定書・近隣成約事例
契約資料 売買契約書・重説
根拠メモ 按分比率と算式の控え

固定資産税評価額で按分する計算例

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固定資産税評価額を使う按分は、資料が揃えば誰でも再現できるのが最大の利点である。

評価額は課税明細書と評価証明書で確認する

固定資産税の納税通知書には、課税明細書が同封されていることが多い。

課税明細書の「価格」欄などに、土地と建物の評価額が分けて記載されるのが一般的である。

より確実に残すなら、自治体が発行する固定資産評価証明書を取得する方法がある。

評価証明書は市区町村役場や都税事務所等で取得でき、郵送請求に対応する自治体もある。

  • 納税通知書の課税明細書を探す
  • 土地と建物の評価額が別欄か確認する
  • 不足なら評価証明書を取得する
  • 発行元と発行日が分かる形で保管する

按分比率の計算式は一行で足りる

固定資産税評価額による按分比率は、土地評価額と建物評価額の合計に対する割合で求める。

土地割合は土地評価額を合計で割り、建物割合は建物評価額を合計で割る。

算式が単純な分、使う評価額の年度と、対象物件が一致しているかが重要になる。

売却時点で最新の課税年度資料を使うと、説明が通りやすくなる。

項目 算式
土地の割合 土地評価額÷(土地評価額+建物評価額)
建物の割合 建物評価額÷(土地評価額+建物評価額)
土地の売却代金 総売却代金×土地の割合
建物の売却代金 総売却代金×建物の割合

数値で追うと、売却代金の内訳がすぐ作れる

たとえば土地評価額が1,200万円、建物評価額が800万円なら合計は2,000万円になる。

土地割合は1,200÷2,000で0.6になり、建物割合は800÷2,000で0.4になる。

売却代金が5,000万円なら、土地代は5,000×0.6で3,000万円になり、建物代は2,000万円になる。

この内訳を契約書の内訳と突き合わせ、差が大きい場合は採用根拠を再確認する。

  • 土地評価額と建物評価額を用意する
  • 割合を小数で計算する
  • 総売却代金に掛ける
  • 円単位の端数処理ルールを決める

按分でやりがちなミスは「使う金額の取り違え」

課税明細書には評価額のほかに課税標準額など複数の金額が並ぶため、使う欄を間違えやすい。

按分に使うのは、原則として固定資産税評価額としての「価格」など評価額欄が基準になる。

また、土地と建物の対象が同一年度でそろっていないと比率が崩れる。

マンションの場合、土地は敷地全体の評価ではなく、区分所有者の持分に対応する評価を使う点が重要になる。

よくあるミス 回避策
課税標準額を使う 評価額(価格)欄を使う
年度が違う資料を混在 同じ課税年度でそろえる
土地が敷地全体の額 持分対応の額を確認する
端数処理が曖昧 切捨て等のルールをメモする

マンション特有の注意点

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マンションは戸建てと違い、土地が「敷地の持分」という形で紐づくため、按分前提の確認ポイントが増える。

敷地権割合は土地の持分を表す重要情報になる

区分所有マンションでは、専有部分と敷地利用権が原則として一体で取引される。

この敷地利用権の割合は登記情報に記載され、土地の持分の大きさを示す材料になる。

固定資産税評価額を確認するときも、土地が「あなたの持分に対応する金額」になっているかを意識する。

敷地権割合の概念が曖昧なままだと、土地評価の確認で迷子になりやすい。

  • 登記簿で敷地権割合を確認する
  • 課税明細の土地評価が持分対応か見る
  • 管理会社資料で敷地面積を確認する
  • 不明点は自治体窓口で照合する

管理費や修繕積立金は按分対象の価格とは別物になる

管理費や修繕積立金は毎月の費用であり、土地建物の売買価格の按分とは論点が違う。

ただし、引渡日を境に日割清算する金銭があると、譲渡の収入金額の扱いで注意が必要になる。

固定資産税や都市計画税の清算金は、譲渡代金に算入されることがあるため整理が必要になる。

清算金を含めて総額で按分するのか、別建てで処理するのかは申告方針と整合させる。

項目 扱いの整理ポイント
管理費 日割清算の有無を確認
修繕積立金 返還・精算のルールを確認
固定資産税清算 収入金額への算入に注意
駐車場利用料 契約承継の形を確認

建物は専有部分だけでなく共用部分の価値も内包する

マンションの建物価値には、専有部分に加えて共用部分の利用価値が実質的に含まれる。

そのため、建物割合が高く見える物件でも、必ずしも不自然とは言い切れない。

一方で、建物内訳を恣意的に高くすると消費税等の論点で争点化しやすくなる。

固定資産税評価額ベースの按分は、この恣意性を下げる保険として機能する。

  • 共用部込みの価値を意識する
  • 築年数と修繕状況も合わせて見る
  • 内訳が極端なら再検討する
  • 根拠資料をセットで保管する

駐車場持分や附属建物があると区分が増える

機械式駐車場の持分や、トランクルームなどが登記上別の区分になっていることがある。

この場合、売買代金のどこに含まれているかを契約書や重説で確認する必要がある。

固定資産税評価額も、対象資産が複数に分かれて評価されていることがある。

区分を見落とすと、按分以前に「対象の取り違え」というミスにつながる。

追加で確認 見る資料
附属施設の有無 重要事項説明書
登記上の区分 登記事項証明書
評価の分かれ方 課税明細書
契約への反映 売買契約書の目的物

税金の論点を整理

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土地建物按分は計算テクニックに見えるが、実際は「どの税目で何が変わるか」を理解すると判断が速くなる。

譲渡所得は収入から取得費と譲渡費用を引いて計算する

譲渡所得の基本は、収入金額から取得費と譲渡費用を差し引き、特別控除を反映して算定する形である。

この基本式自体は単純だが、取得費の中身が土地と建物で異なる点が難しくする。

また、固定資産税清算金などは収入金額に含める扱いになることがあるため、収入側の整理も重要になる。

計算の枠組みは国税庁のタックスアンサーでも示されているので、一次情報に当たりながら組み立てるのが安全である。

要素 内容
収入金額 売却代金など
取得費 購入代金・手数料など
譲渡費用 仲介手数料・測量費など
根拠 国税庁(タックスアンサーNo.1440)

建物の取得費は減価償却相当額を差し引く

建物は使用や経年で価値が減るため、取得費は購入代金をそのまま使うのではなく調整が入る。

具体的には、所有期間に対応する減価償却費相当額を取得費から差し引く考え方になる。

この調整があるため、取得時に土地と建物を合理的に区分しておく意味が大きい。

取得時按分が曖昧だと、建物取得費の根拠が弱くなり申告の説明力が落ちる。

消費税は土地が非課税で建物が課税になり得る

不動産の譲渡で消費税が問題になるのは、売主が課税事業者で、課税資産の譲渡に当たる場合である。

土地の譲渡は非課税とされる一方で、建物部分は課税となるため、対価を合理的に区分する必要がある。

国税庁は、土地建物を一括譲渡した場合の区分方法として、時価比率、評価額比率、原価比率などを例示している。

つまり、契約書に内訳がないままでも、合理的な方法で建物部分を算定して説明できることが求められる。

論点 ポイント
土地 非課税になり得る
建物 課税になり得る
区分方法 合理的な按分が必要
根拠 国税庁(タックスアンサーNo.6301)

特別控除の適用可否と按分の関係を押さえる

居住用財産の特別控除など、譲渡所得には要件を満たすと使える特例がある。

ただし特例の適用がある場合でも、計算過程の整合性を保つために取得費や収入の整理は必要になる。

土地建物按分は、特例があるから不要になるというより、説明できる計算を作るための土台になる。

特例の要件は個別事情で変わるので、該当しそうなら一次情報を確認しつつ判断する。

売買契約書での書き方と実務

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按分で揉めたり迷ったりする最大の原因は、契約段階で内訳と根拠を揃えていないことにある。

契約書に土地代と建物代を入れるメリット

契約書に内訳があると、後から「何を基に計算したか」が明確になりやすい。

買主側もローンや会計処理で建物価額が必要になることがあり、合意形成が進みやすい。

売主が課税事業者なら、消費税計算の前提として建物価額が必要になるため特に重要になる。

内訳を入れるときは、固定資産税評価額など客観資料で妥当性を裏取りしておくと安心である。

  • 申告時の説明が簡単になる
  • 買主の会計処理も進めやすい
  • 消費税が絡むと必須度が上がる
  • 客観資料で妥当性を補強できる

内訳がない場合は合理的区分を後追いで作る

契約書に内訳がなくても、税務上は合理的な方法で土地建物を区分して計算することになる。

合理的区分の考え方として、時価比率、評価額比率、原価比率などが例示されている。

実務では固定資産税評価額での按分が取り組みやすいが、特殊事情があるなら時価根拠を併用する。

後追いの場合ほど、採用理由と資料の保存が重要になり、メモがないと説明が苦しくなる。

後追いで用意 用意するもの
按分基準の選択 評価額比率など
一次資料 評価証明書・課税明細書
補助資料 査定書・成約事例
根拠 国税庁(合理的区分の例示)

仲介会社と税理士への伝え方で作業効率が変わる

仲介会社には、契約書へ内訳を入れたい意図と、根拠に使う資料の候補を先に伝える。

税理士には、売主が課税事業者か、居住用か投資用か、購入時資料が残っているかを整理して渡す。

この前提整理ができていると、按分基準の選択と申告方針が早く決まりやすい。

逆に前提が曖昧だと、資料の再取得や再計算が増え、時間も費用も増えやすい。

  • 内訳を入れたい目的を言語化する
  • 評価資料の所在を共有する
  • 売主属性と物件用途を整理する
  • 購入時資料の残存状況を伝える

確定申告で困らないための保存資料チェック

確定申告では、計算結果そのものより、計算の根拠が後から追える状態が重要になる。

保存資料は、売却時と取得時の両方を意識してそろえると漏れが減る。

固定資産評価証明書は、自治体発行で資料価値が高く、按分比率の根拠として使いやすい。

取得や発行方法は自治体ごとに異なるため、物件所在地の窓口案内を確認して手配する。

場面 残す資料
売却時 売買契約書・重説・精算書
按分根拠 課税明細書・評価証明書
取得時 購入契約書・領収書
参考 固定資産税評価額の確認方法

按分で損しないために押さえる要点

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マンション売却の土地建物按分は、最初に「消費税が絡むか」と「取得時資料が残っているか」を確認すると迷いが減る。

契約書に内訳がある場合でも、固定資産税評価額などで妥当性を補強しておくと説明力が上がる。

内訳がない場合は、固定資産税評価額の比率を基本にしつつ、必要に応じて査定や鑑定で時価根拠を追加する。

マンションは敷地権割合や附属施設など確認点が多いので、目的物と評価の対応関係を先にそろえる。

最後に、算式と資料をセットで保存し、後から第三者が追える形にすることが一番のリスク対策になる。