マンション売却の確定申告計算を自分で行う方法|税額の目安と控除の使い方は?

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確定申告

マンションを売却したあとに「確定申告が必要か」「税金はいくらか」を自分で計算できると、資金計画のブレが一気に減ります。

一方で、取得費の資料不足や建物の減価償却、固定資産税の精算金などが絡むと、計算は途端にややこしく見えます。

ここでは、国税庁の計算式と申告手引きを根拠にしながら、必要書類の集め方から税額の早見までを、手元の資料だけで再現できる形に落とし込みます。

  1. マンション売却の確定申告計算を自分で行う方法
    1. 最初に押さえる計算式
    2. 収入金額に含めるお金
    3. 取得費に入る基本項目
    4. 取得費が分からないときの実務的な処理
    5. 建物の減価償却をどう扱うか
    6. 譲渡費用として認められやすい支出
    7. 所有期間で税率が変わる判定方法
    8. 短期と長期の税率を早見する
    9. 3,000万円特別控除を当てはめる順番
    10. 10年超の軽減税率の特例で税率を下げる
  2. 計算でつまずきやすい取得費のポイント
    1. 購入時の契約書がない場合の探し方
    2. リフォーム費は取得費か譲渡費用か
    3. 土地建物の按分が必要になる場面
    4. 概算取得費5%を使う前に確認したいこと
  3. 売却費用と経費の境界線
    1. 譲渡費用として計上しやすい代表例
    2. 引越し代や新居の費用は原則別扱い
    3. 固定資産税の精算金は収入に足す
    4. 売却損が出たときに検討できる特例
  4. 確定申告が必要かどうかの判断基準
    1. 課税譲渡所得が出るなら申告が基本
    2. 3,000万円特別控除で税額がゼロでも申告は必要
    3. 売却損でも申告した方がいい典型パターン
    4. 申告期限を過ぎると不利になりやすい理由
  5. 申告書作成の流れと必要書類
    1. 提出で使う主な書類セット
    2. e-Taxと作成コーナーで計算ミスを減らす
    3. 売買契約書と精算書で拾うべき項目
    4. 控除や特例の添付書類を先に確認する
  6. 手元の資料から税額をブレずに見積もるコツ

マンション売却の確定申告計算を自分で行う方法

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計算は「譲渡所得の式」へ数字を順番に当てはめるだけで、途中の迷子がほぼなくなります。

最初に押さえる計算式

マンション売却の税金は、売却益そのものではなく「課税譲渡所得金額」を基準に決まります。

国税庁の基本式は、収入金額から取得費と譲渡費用を引き、さらに特別控除額を差し引く流れです。

この式のどこに入れる数字なのかを固定すると、見積もりの再現性が上がります。

計算式の定義は国税庁の「譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」で確認できます。

区分 算式
課税譲渡所得金額 収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
根拠 国税庁 No.1440

まずはこの箱に「何を入れるか」だけを決めるのが最短ルートです。

収入金額に含めるお金

収入金額は売買契約書の売却代金が中心で、ここは多くの人が迷いません。

ただし固定資産税や都市計画税の精算金を買主から受け取った場合は、譲渡価額に算入する扱いです。

契約書や精算書で「未経過固定資産税等」の項目を確認して、収入に足し戻します。

  • 売買代金(契約書の金額)
  • 固定資産税・都市計画税の精算金(受領分)
  • その他、譲渡に伴う経済的利益

収入金額の扱いは国税庁の説明に沿って整理するとブレません。

取得費に入る基本項目

取得費は「買ったときの代金」だけでなく、取得に付随した費用も含めて考えます。

仲介手数料、登記費用、印紙代、設備費や改良費など、購入時に資産価値へ結び付く支出は候補になります。

購入時の売買契約書、領収書、登記事項証明書の取得時期などを突き合わせると漏れが減ります。

取得費に入りやすいもの 購入代金、購入時仲介手数料、登記費用、設備費、改良費
確認の起点 購入時売買契約書、領収書、請求書、登記関連書類
考え方の根拠 国税庁 No.3202

取得費は後で税額へ直結するので、証憑と紐付けて一度で固めるのが得策です。

取得費が分からないときの実務的な処理

古い物件や相続絡みでは、購入代金が分からず取得費が組めないケースがあります。

取得費が不明な場合は、取得費を「譲渡価額の5%相当額」として計算できる旨が国税庁に示されています。

ただし5%を使うと取得費が小さくなりやすく、結果として課税所得が増える点が注意点です。

  • 購入資料が揃うなら実額の取得費を優先
  • 不明なら譲渡価額の5%相当額を検討
  • 改良費の領収書が残っていれば上乗せ余地

取得費の考え方は国税庁の分離課税の計算説明を起点に確認できます。

建物の減価償却をどう扱うか

マンションは土地と建物が一体で売買されるため、取得費も土地と建物に分けて考える場面が出ます。

建物部分は、使用や経過で価値が減る資産として、減価償却費相当額を控除した後の金額が取得費になります。

居住用か賃貸用かで計算の前提が変わりやすいので、用途を明確にしてから数字を作ります。

ポイント 建物取得費は減価償却相当額控除後
迷いやすい原因 土地建物の按分、用途、年数
根拠の方向性 国税庁 No.1440

建物の減価償却は一度ズレると全体が崩れるので、按分の根拠資料を残す運用が安全です。

譲渡費用として認められやすい支出

譲渡費用は「売るために直接かかった費用」を中心に組み立てます。

代表例は仲介手数料、測量費、建物の解体費用、売買契約書の印紙代などです。

リフォーム費は「売るために直接必要だったか」が争点になりやすいので、目的と時期を整理します。

  • 仲介手数料
  • 測量費、境界確定費
  • 解体費用(売却のために必要な場合)
  • 売買契約書の印紙代

譲渡費用の位置付けは、譲渡所得の計算式の枠組みで確認できます。

所有期間で税率が変わる判定方法

税率は「短期」「長期」で大きく変わり、判定の基準日は売却日ではなく「譲渡した年の1月1日」です。

国税庁では、1月1日時点で所有期間が5年を超えると長期、5年以下だと短期と定義しています。

引渡日や取得日の取り方も絡むため、契約日ではなく実務の基準日で整理するのが無難です。

区分 判定
長期 譲渡年の1月1日時点で所有期間が5年超
短期 譲渡年の1月1日時点で所有期間が5年以下
根拠 国税庁 No.3202

判定を1年間違えるだけで税率差が大きいので、ここは最優先で確定させます。

短期と長期の税率を早見する

短期は所得税30%と住民税9%が基本で、長期は所得税15%と住民税5%が基本です。

さらに復興特別所得税として、各年分の基準所得税額の2.1%が上乗せされる仕組みです。

結果として目安の合計税率は、長期約20.315%、短期約39.63%として把握すると実務が進みます。

区分 所得税 住民税 復興特別所得税
長期 15% 5% 所得税の2.1%
短期 30% 9% 所得税の2.1%
根拠 国税庁 No.3208 / 国税庁 No.3211

まずは税率の箱を固定してから、控除や特例で下げられるかを検討します。

3,000万円特別控除を当てはめる順番

居住用財産を売った場合の代表的な特例が、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特別控除です。

この控除は課税譲渡所得金額を直接減らすため、適用できるかどうかで納税額が大きく変わります。

同じ物件を繰り返し使える制度ではないため、前年や前々年の適用歴なども含めて要件確認が必要です。

  • 対象が居住用財産であること
  • 一定の要件を満たしていること
  • 申告で特例適用の手続きを行うこと

特別控除の位置付けは国税庁の譲渡所得の説明で確認できます。

10年超の軽減税率の特例で税率を下げる

マイホームを売ったときは、所有期間が10年を超える場合に軽減税率の特例を検討できます。

軽減税率は、課税長期譲渡所得金額のうち一定部分に低い税率を適用する枠組みです。

3,000万円特別控除と併用できるケースがあるため、適用順を間違えないことが重要です。

特例名 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
主な要件の方向性 譲渡年1月1日時点で所有期間10年超など
根拠 国税庁 No.3305

特例は併用可否が絡むので、候補を先に並べてから最短の組み合わせを探します。

計算でつまずきやすい取得費のポイント

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取得費は資料の有無で精度が激変するため、最初に「証拠の集め方」を決めるのがコツです。

購入時の契約書がない場合の探し方

取得費の核は購入代金なので、まずは売買契約書や重要事項説明書の保管場所を洗い直します。

見つからない場合でも、金融機関のローン契約書類や振込記録、売主・仲介会社の控えが手掛かりになります。

相続なら被相続人の通帳履歴や当時の固定資産税課税明細も補助線になります。

  • ローン契約書、返済予定表
  • 振込明細、通帳の出金履歴
  • 仲介会社の取引台帳の写し相談

資料が揃うほど5%取得費より有利になりやすいので、探索コストをかける価値があります。

リフォーム費は取得費か譲渡費用か

リフォーム費は全部が取得費になるわけではなく、性質で分けて考える必要があります。

資産価値を高める改良に当たるなら取得費側の可能性があり、売却のための直接費用なら譲渡費用側が候補です。

判断の前提として、譲渡所得の枠組みでは取得費と譲渡費用を分けて控除する点を押さえます。

判断軸 価値を高める改良か、売却のための直接費用か
証憑の整え方 工事内容、時期、目的、見積書と領収書
枠組みの根拠 国税庁 No.1440

迷う支出ほど、目的が分かるメモや資料を残しておくと説明が通りやすくなります。

土地建物の按分が必要になる場面

マンション売却では、土地と建物を分けた計算が必要になる局面があります。

代表例が建物の減価償却で、建物取得費を減らしてから譲渡所得を計算する流れです。

按分比率は固定資産税評価額などの客観資料で整えると再現性が上がります。

  • 固定資産税評価証明書の比率で按分
  • 売買契約書に内訳があるなら優先
  • 按分根拠は保存して説明可能にする

按分の必要性は、建物取得費が減価償却控除後になるという国税庁の説明と整合させます。

概算取得費5%を使う前に確認したいこと

取得費が不明なら5%という逃げ道はありますが、安易に使うと税額が増えることがあります。

特に値上がり局面での売却では、取得費を小さく置くほど課税所得が大きくなります。

購入価格の一部でも特定できるなら、5%と比較して有利な方を選ぶのが現実的です。

比較の観点 実額取得費がどこまで復元できるか
5%の注意点 課税譲渡所得が増えやすい
考え方の起点 国税庁 No.3202

最終的に税額へ直結するので、比較表を作って判断を見える化します。

売却費用と経費の境界線

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売却に関する支出は多いですが、税計算で使えるのは「譲渡費用」など要件に合うものだけです。

譲渡費用として計上しやすい代表例

仲介手数料は多くのケースで譲渡費用の中心になります。

測量費や境界確定費など、売買成立に直接必要な費用も候補です。

支払いの証憑は領収書と契約書の両方を揃えると説明しやすくなります。

  • 仲介手数料
  • 測量費、境界確定費
  • 解体費用(売却のために必要な場合)
  • 売買契約書の印紙代

譲渡費用の位置付けは譲渡所得の基本式で確認できます。

引越し代や新居の費用は原則別扱い

引越し代や新居の家具家電などは、売却のための直接費用ではないことが多いです。

そのため譲渡費用に入れようとしても、説明が難しくなりやすい支出です。

税計算では「売るために直接かかったか」を軸に整理して、混ぜない運用が安全です。

判定軸 売買成立へ直接必要か
別扱いになりやすい例 引越し代、新居の購入費、生活関連費
枠組みの根拠 国税庁 No.1440

迷う支出は一旦除外し、譲渡費用として強いものから固めると破綻しにくいです。

固定資産税の精算金は収入に足す

固定資産税の精算金は「費用」ではなく、受け取る側では収入へ算入される考え方です。

売却代金とは別に清算されるため見落としやすいですが、計算に入れないと収入が過小になります。

精算書の金額をそのまま収入へ足し戻すだけで処理できます。

  • 精算金は収入金額に算入
  • 精算書の未経過分を確認
  • 売買契約書の条項も照合

精算金の扱いは国税庁の収入金額の説明が起点になります。

売却損が出たときに検討できる特例

売却益が出ない場合でも、条件次第で確定申告をする価値が出るケースがあります。

住宅ローンが残っているマイホームを一定要件で売却して損失が出たときは、損益通算や繰越控除の特例が用意されています。

この特例は令和7年12月31日までの譲渡など期限要件もあるため、該当しそうなら早めに確認します。

特例の方向性 譲渡損失を給与所得などと損益通算、控除し切れない分は繰越控除
根拠 国税庁 No.3390
手続の注意 国税庁 No.3393

利益が出ないケースほど、申告しないと損得が確定しないので要件確認が重要です。

確定申告が必要かどうかの判断基準

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マンションを売った人全員が必ず確定申告というわけではなく、課税関係で分岐します。

課税譲渡所得が出るなら申告が基本

収入金額から取得費と譲渡費用を引いた結果、プラスが残ると譲渡所得が生じます。

さらに特別控除を差し引いてもプラスが残る場合は、税額が発生する可能性が高いです。

分離課税の譲渡所得として申告書へ反映する流れになります。

  • 売却益が出る
  • 特別控除後もプラス
  • 税額計算の対象になる

譲渡所得の計算枠組みは国税庁の基本式に沿って確認できます。

3,000万円特別控除で税額がゼロでも申告は必要

特別控除を適用して課税譲渡所得がゼロになれば、結果として所得税や住民税が発生しないことがあります。

ただし控除は自動では適用されず、確定申告で特例の適用を主張する手続きが必要です。

税金がかからない見込みでも、特例を使うための申告は必要になる点が落とし穴です。

よくある誤解 税額ゼロなら申告不要と思い込む
実務の結論 特例適用のため申告が必要になりやすい
根拠の起点 国税庁 No.1440

控除が大きいほど申告の有無で損得が逆転するので、ここは必ず確認します。

売却損でも申告した方がいい典型パターン

売却損なら税金は出ませんが、損益通算や繰越控除の特例に該当する場合は話が変わります。

住宅ローン残高を下回る価額で売却して損失が生じたときなどは、他の所得から控除できる可能性があります。

この場合、申告しないと特例の入口に立てないため、損のまま終わるリスクが出ます。

  • 住宅ローン残高より低い売却
  • 一定要件で譲渡損失が認められる
  • 損益通算や繰越控除を検討

要件の方向性は国税庁の譲渡損失特例の説明で確認できます。

申告期限を過ぎると不利になりやすい理由

確定申告の期間は原則として翌年2月16日から3月15日までとされています。

期限後申告も可能ですが、内容によっては無申告加算税などの影響が出ることがあります。

特例の手続きで期限内申告が求められる場面もあるため、できるだけ期限内で完了させます。

原則の申告期間 翌年2月16日から3月15日
根拠 国税庁 No.2020
期限後申告の扱い 国税庁 No.2024

締切から逆算して、資料集めと数字固めを先に終わらせるのが安全です。

申告書作成の流れと必要書類

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必要書類を先に揃えると、計算は「入力作業」に変わり、迷いが大きく減ります。

提出で使う主な書類セット

土地建物の譲渡は、確定申告書だけでなく内訳書などの添付がセットになります。

国税庁の「譲渡所得の申告のしかた」では、記載例や添付書類の考え方がまとまっています。

まずはどの書類が必要かを一覧化してから、手元資料を紐付けます。

  • 確定申告書(分離課税の譲渡所得を記載)
  • 譲渡所得の内訳書などの明細
  • 売買契約書の写し、領収書等

記載例の起点は国税庁の手引きページで確認できます。

e-Taxと作成コーナーで計算ミスを減らす

確定申告書等作成コーナーは、画面案内に沿って入力すると税額が自動計算されます。

入力の前に、収入金額、取得費、譲渡費用、特別控除の数字を別紙で固めておくと入力ミスが減ります。

スマホ対応や公開時期などは年度で変わるため、最新の案内を見て準備します。

自動計算を活かすためにも、入力前の数字の整備が最重要です。

売買契約書と精算書で拾うべき項目

契約書は売却代金だけでなく、固定資産税の精算や引渡日など、判定に関わる情報が詰まっています。

精算書は収入金額へ足す精算金の確認に使うため、契約書とセットで保管します。

取得日や譲渡日は所有期間判定にも影響しやすいので、日付を必ず控えます。

  • 譲渡価額(売買代金)
  • 固定資産税・都市計画税の精算金
  • 引渡日、決済日
  • 仲介手数料の額と支払日

所有期間の判定と収入金額の考え方は国税庁の説明を基準にします。

控除や特例の添付書類を先に確認する

3,000万円特別控除や軽減税率などの特例は、適用可否に加えて添付書類が論点になります。

譲渡損失の繰越控除などは、期限内申告や連続提出など手続き要件が明確に示されています。

該当しそうな特例がある場合は、先に必要書類を押さえてから売却時の資料を揃えます。

軽減税率の根拠 国税庁 No.3305
譲渡損失の手続 国税庁 No.3393
記載例の起点 譲渡所得の申告のしかた

特例は「使えるか」より先に「出せるか」を確認すると失敗しにくいです。

手元の資料から税額をブレずに見積もるコツ

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税額見積もりは、収入金額と取得費と譲渡費用を一枚の表に集約し、式へそのまま流し込める形にするのがコツです。

次に、譲渡年の1月1日時点で所有期間が5年超かを確定し、長期か短期かで税率の箱を固定します。

その上で、居住用なら3,000万円特別控除や10年超の軽減税率など、適用できる特例を上から順に当てて課税譲渡所得金額を落とします。

最後に、申告の手引きの記載例で入力位置を照合し、作成コーナーへ同じ数字を入れて機械計算と突合すれば、計算ミスはほぼ潰せます。

数字の根拠となる契約書と領収書をセットで保管しておくと、後から修正が必要になった場合でも説明が通りやすくなります。