友達価格でマンションを売ってと言われたら結論は時価に近づける|税金とトラブルを避ける段取りは?

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トラブル

友人から「友達価格でマンションを売って」と頼まれると、気持ちとしては応じたくなるものです。

ただし不動産は金額が大きく、安くし過ぎると税金やローン、契約トラブルが一気に表面化します。

結論から言うと「友情」を守るためにも、価格は時価ベースで根拠を用意し、手続きは第三者の専門家を挟むのが安全です。

この記事では、友達価格の落とし穴と、後悔しない進め方を実務目線で整理します。

  1. 友達価格でマンションを売ってと言われたら結論は時価に近づける
    1. 安くし過ぎると「みなし贈与」で買主に税金が出る
    2. 売主側は「売却益」に譲渡所得税がかかる可能性がある
    3. 買主側にも取得コストが乗る
    4. 住宅ローンが絡むと個人間売買は一気に難しくなる
    5. 友情を守るなら「仲介ゼロ」より「部分的に依頼」が現実的
  2. 友人への個人間売買で起きやすいトラブル
    1. 契約不適合責任をどう扱うかで揉めやすい
    2. 代金トラブルは「悪意」より「段取り不足」で起きる
    3. 共有名義や配偶者の同意が抜けると止まる
    4. 引渡し後の近所付き合いが残るのが友人売買の特徴
  3. 友達価格が税務上問題になる境界線
    1. みなし贈与は「時価との差額」が論点になる
    2. 査定書があるだけで説明力が変わる
    3. 残債があるのに安く売ると資金ショートしやすい
    4. 親族や法人が絡むと別の論点も出る
  4. 売買契約と登記で必要な書類
    1. 売買契約書の印紙税を落とさない
    2. 重要事項説明書がないと困る場面を把握する
    3. 所有権移転の登記は登録免許税が発生する
    4. 決済当日の流れを決めておくと揉めにくい
  5. 友達価格でも後悔しない交渉の進め方
    1. 価格は「時価レンジ」から逆算して提案する
    2. 金額以外の条件で「友達価格」を作る方法もある
    3. 口約束を排して「普通の取引」に寄せるほど関係が守れる
    4. どうしても安くしたいなら「売買」以外の形も検討する
  6. 友達価格の売却は『安さ』より『根拠と手順』で決まる

友達価格でマンションを売ってと言われたら結論は時価に近づける

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友達価格での売却は可能ですが、安さを優先すると税務上の「贈与」扱いや、引渡し後の揉め事につながります。

価格は時価に近づけ、値下げする場合も「なぜその金額なのか」を説明できる状態にするのが最優先です。

安くし過ぎると「みなし贈与」で買主に税金が出る

個人から著しく低い価額で財産を譲り受けた場合、時価との差額が贈与とみなされることがあります。

この扱いは贈与税の論点で、売る側の善意とは無関係に判定されます。

特に「相場の半額だから友達価格」という感覚は危険で、買主が後から想定外の税負担を抱えるリスクがあります。

税務上の考え方は国税庁の説明も確認しておくと安心です。

論点 著しく低い価額での譲受けは「贈与」とみなされ得る
誰に影響 主に買主(受け取った利益部分に贈与税の可能性)
判断の軸 個別事情で判定(機械的に一律ではない)
一次情報 国税庁:個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき

売主側は「売却益」に譲渡所得税がかかる可能性がある

友達価格で売っても、売却益が出れば譲渡所得として課税対象になります。

所有期間が5年超か5年以下かで税率が大きく変わるため、売る側はまず所有期間の区分を確認します。

長期譲渡所得の税率は所得税15%と住民税5%が基本で、短期譲渡所得は所得税30%と住民税9%が基本です。

計算の基本式と税率は国税庁の該当ページで確認できます。

区分 長期:5年超/短期:5年以下(譲渡年の1月1日判定)
長期の目安税率 所得税15%(住民税5%)
短期の目安税率 所得税30%(住民税9%)
一次情報 国税庁:譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
税率根拠 国税庁:長期譲渡所得の税額の計算国税庁:短期譲渡所得の税額の計算

買主側にも取得コストが乗る

友達価格で買えても、買主側には登記や印紙などの費用が発生します。

さらに都道府県税である不動産取得税は、課税されるケースが多く、軽減措置の有無も含めて確認が必要です。

費用を見落とすと「安く買えたはずなのに総額が思ったより高い」となりやすいです。

購入総額で比較できるよう、諸費用を先に洗い出します。

費用の例 登録免許税、印紙税、司法書士報酬、不動産取得税
不動産取得税 都道府県税(自治体で案内)
参考 大阪府:不動産取得税(例として税率や計算の考え方が確認可能)

住宅ローンが絡むと個人間売買は一気に難しくなる

買主が住宅ローンを使いたい場合、個人間売買は金融機関の審査が厳しくなる傾向があります。

理由の一つは、重要事項説明書の提出など、第三者(不動産会社)による確認書類が揃いにくい点です。

結果として「現金一括なら進むが、ローン前提だと止まる」という構図が起きやすいです。

買主の資金計画がローン中心なら、早い段階で金融機関と要件をすり合わせます。

  • 個人間売買はローン審査で不利になり得る
  • 重要事項説明書が用意できない点がネックになりやすい
  • ローン特約の入れ方が重要になる
  • 現金一括前提でないなら専門家関与が現実的

友情を守るなら「仲介ゼロ」より「部分的に依頼」が現実的

友人同士だと、遠慮から確認を省略しがちですが、それが後の火種になります。

仲介を完全に外すのではなく、司法書士や不動産会社に必要部分だけ依頼する方法もあります。

費用はかかりますが、論点の棚卸しと書類整備ができ、結果として安くつくこともあります。

特に登記と決済はミスが致命傷になりやすいので、第三者を入れる価値が高いです。

  • 価格の根拠(査定)を第三者で作る
  • 契約書の条文を専門家で整える
  • 登記と決済は司法書士主導にする
  • 感情と手続きを切り分けやすくなる

友人への個人間売買で起きやすいトラブル

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友達価格の取引は、金額よりも「期待値のズレ」で揉めることが多いです。

住んだ後に見つかる不具合や、支払い・引渡しの段取りが曖昧だと関係そのものが壊れます。

契約不適合責任をどう扱うかで揉めやすい

不動産売買では、契約内容に適合しない不具合があると売主が責任を負う可能性があります。

個人間売買でも原則は同じで、免責や期間短縮の特約をどうするかが実務上の争点になります。

買主が「友達なんだから直してよ」となり、売主が「安くしたんだから許してよ」となった瞬間に破綻します。

一般的な論点整理は不動産関連の解説も参考になります。

論点 契約不適合責任(範囲・期間・免責の可否)
揉め方 不具合発覚後に費用負担で対立
対策 告知事項を明文化し、特約を具体化
参考 住友不動産販売:契約不適合責任

代金トラブルは「悪意」より「段取り不足」で起きる

友人同士だと、手付金や支払期日を曖昧にしがちです。

しかし期日が曖昧だと、引越しや残代金の準備が遅れ、結果として関係が悪化します。

揉めたときに「どちらが悪いか」を決める材料がなく、感情戦になりやすいです。

最初から一般の売買と同じ粒度で合意を残します。

  • 手付金の額と性質(解約手付か違約手付か)
  • 残代金の支払日と振込先
  • 引渡し日と鍵の受け渡し方法
  • ローン不成立時の解除条件(ローン特約)

共有名義や配偶者の同意が抜けると止まる

マンションが共有名義の場合、全員の同意と署名押印が必要になります。

売主が既婚なら、実務上は配偶者の関与が必要になる場面もあり、後出しで揉めやすいです。

また抵当権が残っている場合、抹消の段取りが取れないと所有権移転が進みません。

名義と権利関係を最初に確定させます。

確認項目 登記名義人が誰か(単独/共有)
抵当権 残債があるなら抹消手続きが必要
必要になりやすい人 共有者、連帯債務者、連帯保証人
実務の動かし方 司法書士に事前確認して詰まる点を潰す

引渡し後の近所付き合いが残るのが友人売買の特徴

一般の売買と違い、売った後も友人関係が継続します。

そのため「クレームを言いづらい」「言われる側も断りづらい」が積み重なります。

問題が起きたときに第三者がいないと、逃げ道がなくなりやすいです。

連絡窓口を専門家に寄せるだけでも心理的な摩耗が減ります。

  • 連絡は書面やメールで履歴を残す
  • 不具合対応の範囲を契約で線引きする
  • 引渡し時に設備の状態を写真で残す
  • 困ったら専門家に一次受けしてもらう

友達価格が税務上問題になる境界線

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友達価格の最大の落とし穴は「安くしたつもりが、税務上は贈与に寄ってしまう」点です。

税務は気持ちを汲まないため、判断材料を先に揃えておくことが重要になります。

みなし贈与は「時価との差額」が論点になる

個人から著しく低い価額で財産を譲り受けた場合、時価と対価の差額が贈与とみなされ得ます。

このとき「著しく低いかどうか」は個別事情で判定され、単純に何%ならセーフとは言い切れません。

だからこそ、第三者の査定などで時価の説明力を高めることが実務上の防波堤になります。

みなし贈与の基本は国税庁のページで確認できます。

課税の形 時価-実際の支払対価=利益(贈与とみなされ得る)
注意点 「半額未満」など機械基準で決まらない
重要 時価の根拠資料を準備する
一次情報 国税庁:個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき

査定書があるだけで説明力が変わる

友達価格にする場合でも、まずは時価を把握し、値付けの土台を作ります。

不動産会社の簡易査定でもよいので、複数の査定結果を取ってレンジを確認します。

その上で「この瑕疵がある」「リフォームが必要」など、価格調整の理由を言語化します。

値引きの根拠が明確なら、税務面でも人間関係でも説明が通りやすくなります。

  • 机上査定で相場レンジを掴む
  • 訪問査定で個別要因を反映させる
  • 修繕履歴や不具合を整理する
  • 値引き理由をメモで残す

残債があるのに安く売ると資金ショートしやすい

住宅ローンが残っている場合、売却代金で完済できないと抵当権抹消が難しくなります。

その結果、名義移転ができず、決済日に取引が止まることがあります。

友達価格で売る前に、残債と諸費用を差し引いて資金が回るかを必ず試算します。

完済できないなら、自己資金投入や住み替えローンなど別の設計が必要です。

先に出す数字 残債、抵当権抹消費用、登記費用、印紙、税金
詰まりやすい点 売却代金<残債だと抹消ができない
対策 金融機関と事前に完済条件を確認する
安全策 決済は司法書士同席で同日完済・同日移転

親族や法人が絡むと別の論点も出る

相手が友人ではなく親族になると、税務署がより慎重に見やすいといわれます。

また売主や買主が法人の場合は、時価での取引が原則になりやすく、別の税務論点が出ます。

友達価格の延長線で考えず、当事者の属性で前提を切り替えることが重要です。

少しでも不安があるなら税理士に一度相談するだけで事故率が下がります。

  • 親族間は「実態のない売買」と疑われやすい
  • 法人が絡むと時価取引の要請が強くなる
  • 契約書と資金移動の証拠がより重要になる
  • 税理士・司法書士の同席が効果的

売買契約と登記で必要な書類

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友達価格でも、手続きは通常の不動産売買と同じく「契約」と「登記」が核になります。

ここを雑にすると、税務より先に実務で詰まるため、書類の準備から逆算して進めます。

売買契約書の印紙税を落とさない

売買契約書には印紙税がかかり、契約金額に応じて税額が決まります。

契約金額が大きいマンションでは、印紙代も無視できないコストになります。

印紙税額の一覧は国税庁で公開されているため、必ず一次情報で確認します。

電子契約を使うかどうかなど、作り方でも実務は変わります。

税目 印紙税(契約書)
決まり方 契約金額に応じて税額が変動
一次情報 国税庁:印紙税額の一覧表(その1)
実務メモ 契約書の作成形態によって扱いが変わる場合がある

重要事項説明書がないと困る場面を把握する

個人間売買では、不動産会社が作る重要事項説明書を用意できません。

そのため買主が住宅ローンを使う場合や、物件調査が不足している場合に不利になります。

完全に自力でやるのではなく、調査や説明部分だけ不動産会社に入ってもらう方法もあります。

買主の資金計画に合わせて「どこまで第三者を入れるか」を決めます。

  • ローン審査で重要事項説明書の提出を求められることがある
  • 書類不備を嫌って金融機関が慎重になる
  • 物件調査が不足すると後から契約不適合で揉めやすい
  • 部分的な仲介や調査依頼で穴を埋められる

所有権移転の登記は登録免許税が発生する

所有権移転登記には登録免許税がかかり、売買による移転は原則として税率が定められています。

課税標準は固定資産課税台帳に登録された価格が原則になる点も重要です。

金額計算と申請は専門性が高いため、通常は司法書士へ依頼して進めます。

一次情報として国税庁の税額表を確認しておくと全体像が掴めます。

税目 登録免許税(所有権移転登記)
税率 売買による所有権移転は1,000分の20(原則)
課税標準 固定資産課税台帳の価格が原則
一次情報 国税庁:登録免許税の税額表

決済当日の流れを決めておくと揉めにくい

決済日は、残代金の支払い、鍵の引渡し、登記申請が一気に進みます。

友人同士でも、当日は段取り優先で淡々と進めるのが結果的に平和です。

同日完済が必要なケースでは金融機関の段取りも絡むため、事前にタイムラインを作ります。

当日の混乱を減らすため、連絡窓口は司法書士に寄せるのが実務的です。

  • 残代金の着金確認
  • 鍵・関係書類の引渡し
  • 抵当権抹消と所有権移転の同日申請
  • 固定資産税等の精算(必要な場合)

友達価格でも後悔しない交渉の進め方

グレーソファと小さなテレビが置かれたシンプルなファミリーリビング

友達価格は「いくらにするか」より「どう決めたか」で納得感が決まります。

価格の根拠、条件の整理、合意の残し方を整えると、友情も取引も守りやすくなります。

価格は「時価レンジ」から逆算して提案する

まずは時価レンジを把握し、その範囲で友達価格を位置付けます。

例えば「相場より少し下げる代わりに、内覧や広告の手間を省く」など、値下げの理由が説明できる形が望ましいです。

相場から離れた金額は税務と人間関係の両方で事故率が上がります。

金額を決める順番を間違えないことが最大のポイントです。

  • 相場の把握(査定の取得)
  • 値下げ理由の言語化(不具合・引渡し条件)
  • 税務リスクの確認(みなし贈与の可能性)
  • 最終価格の合意(契約書で固定)

金額以外の条件で「友達価格」を作る方法もある

税務リスクが気になるなら、価格を極端に下げず、条件面で調整する方が安全です。

例えば引渡し時期や残置物の扱い、設備修理の範囲などで実質的なメリットを作れます。

この方法なら時価から大きく外れにくく、説明もしやすいです。

お互いの不満が溜まりにくい形で条件を設計します。

調整軸 引渡し時期、残置物、修繕対応、付帯設備の扱い
売主メリット 手間やコストの見通しが立つ
買主メリット 現物の条件が明確になり安心できる
狙い 価格を崩し過ぎずに納得感を作る

口約束を排して「普通の取引」に寄せるほど関係が守れる

友人同士の取引で一番危険なのは、善意を前提にして証拠を残さないことです。

合意内容を文章化しておけば、後から記憶違いが起きても事実ベースで調整できます。

結果として相手を疑うのではなく、双方を守るフェアな仕組みになります。

連絡の履歴と契約条文が、友情の保険になります。

  • 合意事項は契約書に落とす
  • 設備の状態はチェックリスト化する
  • 写真と日付で現況を残す
  • 不具合の申告期限を明確にする

どうしても安くしたいなら「売買」以外の形も検討する

時価から大きく下げたい場合、売買で無理に押し通すとみなし贈与の論点が強まります。

状況によっては、贈与として整理した方が見通しが良いケースもあります。

贈与税は基礎控除110万円があり、税率は速算表で計算します。

売買か贈与かは税理士に一度相談し、最も事故が少ない形を選びます。

選択肢 売買/贈与/金銭貸借(別途契約)
贈与税の基礎 暦年課税の基礎控除は110万円
一次情報 国税庁:贈与税の計算と税率(暦年課税)
注意点 形式だけでなく実態が問われる

友達価格の売却は『安さ』より『根拠と手順』で決まる

ヴィンテージ感が魅力のカジュアルで居心地のよいリビングダイニング

友達価格でマンションを売ること自体は可能です。

ただし安くし過ぎると、みなし贈与やローン不成立、契約不適合などのリスクが現実化します。

まずは時価レンジを第三者で作り、値下げするなら理由を言語化して合意を契約書に落とします。

登記と決済は司法書士に任せ、連絡窓口を第三者に寄せるだけでも揉めにくくなります。

友情を守る最短ルートは、取引を「普通の不動産売買」に寄せることです。